第1章 運命を記すもの

3/3
前へ
/5ページ
次へ
Side of  秦〈戦国七雄最強の国〉 嬴政「ハクション!」 韓王・安に噂をされている嬴政は、 大きなくしゃみをしました。 嬴政の寵姫・(みどり) 緑「あら…大王様。お風邪を召されたのですか?政務がお忙しいのでは?」 嬴政の寵姫である緑は和名しか分からぬ正体不明の美女であるため嬴政の寵姫ではあるものの側室となっている。 嬴政「案ずる事はない、きっと誰か敵国の王が噂をしているのだろう?」 嬴政(えいせい)…秦国の王で 後に中華を統一し秦の始皇帝となる。 性格は常に前を向き進み続けるため いつも何かと戦っている印象がある。 まさかそれなりに距離がある韓で、 韓王・安「嬴政の馬鹿!」 禮惷「大王様、嬴政の悪口などを言ってしまったら命と国が幾らあっても足りませぬ…。お口が悪すぎます。」 韓王・安がまるで子どもの喧嘩でもしているかのような悪口を口にして…軍師であり大将軍代理でもある禮惷が顔面蒼白になりながら止めている事など 嬴政「まさか…とは思うが私の悪口を言うそんな馬鹿は…おるまい…。」 知るはずもない嬴政は自問自答しておりましたが…残念ながら… 韓王・安「毒キノコを送りつけてやるからなぁ!嬴政!李蟬が無駄に栽培するから国中の民から苦情がある毒キノコをなぁ!」 韓王・安が要らない毒キノコを送りつけてやろうと企んでおりました。 確かに韓の国では民衆から苦情が山のように届いており禮惷が頭を抱えているのは事実ですが… 慶闍(けいじゃ)「軍師様、何とかして下され。皆が具合を悪くしてしまうのじゃ…。」 慶闍(けいじゃ)…韓の王都・陽泉(ようせん)の長官ではあるものの毒キノコを大量に栽培している李蟬のせいで民衆の殆どが体調不良を訴えている事もあり…度々、禮惷に何とかして欲しいと頼み込んでいる…。 禮惷「秦はゴミの処分場ではありませぬ!そんな事をしたら我らの命と国は数秒間も持ちませぬ!」 但し…それとこれとはまさに別。 そんな事をしては嬴政から怒りの猛攻撃を受ける羽目になってしまいます。 李蟬「…そこまで言わずとも良いではないか?」 李蟬は禮惷と韓王・安の言葉に何やら悲しげな顔をしながら呟きました。 禮惷「ゴミはさすがに言い過ぎました。申し訳ありませぬ、李蟬。」 禮惷が苦笑いを浮かべているその時、 嬴政は… 嬴政「ご飯のおかずにキノコは止めて貰えないか?私はキノコが嫌いだ。」 まさかのキノコを口にしていました。 緑「キノコは体に良いのです…。 大王様はもう父親なのですから… 好き嫌いは控えて頂きたいですわ…」 緑は胡亥(こがい)を産み… 嬴政は胡亥を溺愛していました。 嬴政「胡亥の為ならキノコも… 頑張って食べる事に…するか…」 李信「政…!あ、すまん。 飯食べてたのか?」 嬴政が覚悟を決めるとそこには まさかの…李信が現れました…。 嬴政「親になるには修業も必要だ。」 嬴政は悲しそうな顔をしていましたが 残念ながら…子どもどころか妻すらいない李信には全く分からないようで… 李信「…王賁に嫌味を言われる俺に何を求めるんだ?政。」 王賁(おうほん)とは… 王騎とは同族で王家の本家筋なのだが 分家筋の王騎が目立っている事に腹が立っている王灥(おうせん)の息子だが父親の事を嫌っている。 嬴政「確か」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加