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Side of 秦〈戦国七雄最強の国〉
嬴政「ハクション!」
韓王・安を始めとする韓の人達に
噂をされている嬴政は大きなくしゃみをしていました。
嬴政の寵姫・緑
緑「あら…大王様。お風邪を召されたのですか?政務がお忙しいのでは?」
嬴政の寵姫である緑は和名しか分からぬ正体不明の美女であるため嬴政の寵姫ではあるものの側室となっている。
嬴政「案ずる事はない、きっと誰か敵国の王が噂をしているのだろう?」
嬴政…秦国の王で
後に中華を統一し秦の始皇帝となる。
性格は常に前を向き進み続けるため
いつも何かと戦っている印象がある。
制御不能なくらいの状態に陥っていたはずの韓の国ではありましたが…実のところ…禮惷の頑張りにより何とか王は落ち着きを取り戻しました…。
しかし…
韓王・安「嬴政の馬鹿!」
どうやら落ち着きを取り戻した途端、
嬴政に溢れんばかりの怒りを感じてしまったようでひたすら悪口を口にしていたのでございます。
これには…
禮惷「大王様、嬴政の悪口などを言ってしまったら命と国が幾らあっても足りませぬ…。お口が悪すぎます。」
軍師であり大将軍代理でもある禮惷が顔面蒼白になりながら止めてはいるのですが本人はそんなのお構いなし…。
韓王・安「嬴政の馬鹿!」
しかし…不幸中の幸いとはまさにこの事で嬴政はそんな事になっているなど知る由もないため…
嬴政「まさか…とは思うが私の悪口を言うそんな馬鹿は…おるまい…。」
自問自答をしておりましたが、
残念ながら嬴政の悪口を言う者が…
韓王・安「毒キノコを送りつけてやるからなぁ!嬴政!李蟬が無駄に栽培するから国中の民から苦情がある毒キノコをなぁ!」
否、韓王・安が要らない毒キノコを、秦国へ送りつけてやろうと企んでいたのでございます。
禮惷「悪口よりも恐ろしい事でございますし下手をすれば我らなど瞬殺になりましょう…」
確かに韓の国では民衆から苦情が山のように届いており禮惷が頭を抱えているのは事実ではありますが…
慶闍「軍師様、何とかして下され。皆が具合を悪くしてしまうのじゃ…。」
慶闍…韓の王都・陽泉の長官ではあるものの毒キノコを大量に栽培している李蟬のせいで民衆の殆どが体調不良を訴えている事もあり…度々、禮惷に何とかして欲しいと頼み込んでいる…。
禮惷「秦はゴミの処分場ではありませぬ!そんな事をしたら我らの命と国は数秒間も持ちませぬ!」
但し…
それとこれとはまさに別。
そんな事をしては嬴政から怒りの猛攻撃を受ける羽目になってしまいます。
李蟬「…我らが嬴政の命を脅かす存在になるなど名誉な事で…そこまで言わずとも良いではないか?」
李蟬は禮惷と韓王・安の言葉に何やら悲しげな顔をしながら呟きました。
禮惷「ゴミはさすがに言い過ぎました。申し訳ありませぬ、李蟬。」
禮惷が苦笑いを浮かべながら
謝罪をしていると言うのに…
韓王・安「使い道のないものは、
その時点でゴミと言うらしいぞ…」
禮惷の頭痛を悪びれもない態度で
激しいものへと悪化させてしまったのでございました。
李蟬「…」
韓の国で王の安が李蟬を鋭い言葉で、傷つけてしまったまさにその頃、
嬴政は自身の国で苦悶の表情を浮かべておりました。
その理由は…
嬴政「ご飯のおかずにキノコは止めて貰えないか?私はキノコが嫌いだ。」
まさかのキノコを口にしていました。
緑「キノコは体に良いのです…。
大王様はもう父親なのですから…
好き嫌いは控えて頂きたいですわ…」
緑は胡亥を産み…
嬴政は胡亥を溺愛していました。
嬴政「胡亥の為ならキノコも…
頑張って食べる事に…するか…」
李信「政…!あ、すまん。
飯食べてたのか?」
嬴政が覚悟を決めるとそこには
まさかの…李信が現れました…。
嬴政「親になるには修業も必要だ。」
嬴政は悲しそうな顔をしていましたが
残念ながら…子どもどころか妻すらいない李信には全く分からないようで…
李信「…王賁に嫌味を言われる俺に何を求めるんだ?政。」
王賁とは…
王騎とは同族で王家の本家筋なのだが
分家筋の王騎が目立っている事に腹が立っている王灥の息子だが父親の事を嫌っている。
嬴政「確か王賁にも和名を持つ妻がいたな…。詩だったかな?」
李信「俺に聞かれても知らん!」
実のところ李信も
顔と名前だけは聞いていましたが…
王翦「幾ら父を嫌おうとも和名の女性に惹かれるのは同じと言える…。」
本人から聞いたのではなく、
本人が嫌っている父親の王翦から聞いた話になるので公の場では黙っておりました。
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