夜明けの刃ーDawn Bladesー

裏切りの追跡

　翔太とエリカは理恵から得た情報を元に、次の目的地であるリオ・デ・ジャネイロに向かうことにした。能代の計画を阻止するため、彼らは早急に行動を起こさなければならなかった。

　リオ・デ・ジャネイロに到着した二人は、事前に手配していたロイヤルホテルにチェックインした。このホテルは街の中心部に位置し、高級感溢れる雰囲気が漂っていたが、彼らの目的はリラックスではなく、情報収集だった。

「理恵の情報によると、ここで能代の取引が行われるらしい。気を引き締めていこう」と翔太が言った。

「わかってる。油断は禁物ね」とエリカが答えた。

　ホテルの部屋に入った二人は、まず周囲の安全を確認した。部屋のドアには小型の監視カメラを設置し、誰かが近づいた場合に即座に気付けるようにした。

「よし、これで安心だ。情報収集を開始しよう」と翔太が言った。

　彼らはホテルのバーで情報を得るために動き始めた。そこで、能代の側近と思われる人物が取引を行う現場を目撃した。エリカはルアーロッドを巧みに操り、その会話を録音することに成功した。

「いいぞ、エリカ。これで証拠を手に入れた」と翔太が満足げに言った。

「次はどうする？」エリカが尋ねた。

「その人物を追跡し、能代の隠れ家を突き止めるんだ」と翔太が答えた。

　二人はその人物を尾行し、リオ・デ・ジャネイロの郊外にある別荘にたどり着いた。そこには能代が待ち受けており、取引が行われる予定だった。彼らは隠れ場所からその様子を監視し、チャンスを窺っていた。

「ここが正念場だ。しっかりと準備をして、能代を捉えよう」と翔太が言った。

　しかし、その瞬間、ドアが激しく開き、能代の部下たちが突入してきた。裏切り者が情報を漏らしていたのだ。

「しまった！情報が漏れていたのか！」翔太が叫んだ。

　エリカは即座にルアーロッドを手に取り、部下たちに応戦した。翔太も相掛かりで立ち向かい、二人は激しい戦闘を繰り広げた。能代の部下たちは手強かったが、翔太とエリカの連携で次々と倒していった。

「これ以上は無理だ、撤退しよう」と翔太が言った。

　エリカは頷き、二人はホテルに戻ることにした。しかし、能代の部下たちが追跡してくる中、彼らはホテルの裏口から逃げ出し、リオの街を駆け抜けた。

「どうやら罠にかかってしまったようだが、次の一手を考えなきゃならない」と翔太が言った。

「そうね。でも、情報は手に入れたし、能代の動きも掴んだ。これをどう活かすかが鍵ね」とエリカが答えた。

　彼らはホテルの安全を確保し、次の行動計画を立てるために一息ついた。能代との戦いはまだ終わっていない。裏切り者を見つけ出し、再び立ち上がるための準備を整えた。

　翔太とエリカはホテルに戻り、一時的な安全を確保した。だが、裏切り者の存在に気づいたことで、二人の間に緊張感が漂っていた。

「誰が裏切ったのか確かめなきゃならない。情報が漏れたのは間違いない」と翔太が苦悩の表情で言った。

「そうね。今後の計画にも影響が出るし、まずは裏切り者を見つけるのが先決ね」とエリカが答えた。

二人はリオ・デ・ジャネイロの街を再び歩き出し、情報を集めるためにリカーショップに立ち寄った。そこで、翔太は馴染みの店主に裏切り者の手がかりがないか尋ねた。

「最近、変な動きをするやつはいなかったか？」と翔太が訊く。

「実は、数日前に見慣れない男が大量のニンニクを買い込んでいったんだ。何か怪しいと感じたが、特に深く考えなかった」と店主が答えた。

　その情報を手に入れた二人は、さらに調査を続けることにした。次に向かったのは、プールサイドが賑わう高級リゾートだった。そこで、リゾートのオーナーである旧知の友人に裏切り者の情報を求めた。

「翔太、久しぶりだな。何か問題でも？」とオーナーが迎えてくれた。

「実は…」と事情を説明すると、オーナーは考え込んだ後、思い当たる節を話し始めた。

「数日前に、奇妙な留守番電話のメッセージがあったんだ。内容は不明だったが、何か計画しているような感じがした」

　そのメッセージが気になる二人は、すぐにオーナーのオフィスに向かい、留守番電話の再生を試みた。メッセージには、能代と繋がる手がかりが隠されていた。

「間違いない、これが奴らの計画だ」と翔太が確信した。

　その頃、ホテルのプールサイドで休んでいた二人の前に、突然一匹の巨大な鰐が現れた。恐怖と驚きが交錯する中、二人は素早く避難した。

「これは能代の仕業に違いない。あいつら、手段を選ばない」とエリカが怒りの表情で言った。

「何があっても、諦めるわけにはいかない。裏切り者を見つけ出し、能代を倒す」と翔太が強い決意を見せた。

　翌日、二人は再び情報収集に乗り出し、街の裏通りにあるニンニクを多く扱う料理屋を訪れた。そこには、不審な男が出入りしているという情報があった。彼らは店のオーナーに話を聞き、さらに手がかりを得るために動き始めた。

「ここまできたら、あと一歩だ」と翔太が言った。

「裏切り者を見つけて、この戦いに終止符を打つのよ」とエリカが応えた。

　二人の苦悩は続くが、希望を捨てずに前進し続ける。彼らの旅は終わりが見えないが、信念と友情を武器に、困難に立ち向かう決意を新たにした。