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遺影の男
翔太とエリカがリオ・デ・ジャネイロでの戦いから抜け出し、再び次の目的地へ向かう飛行機に乗っていた。彼らの旅は終わりが見えず、次々と迫りくる敵と陰謀に立ち向かう日々が続いていた。
「次の行き先は飯山だ。そこに、裏切り者の手がかりがあるらしい」と翔太は言った。
「飯山って、日本の?」とエリカが尋ねた。
「そうだ。裏切り者がここに身を隠している情報を手に入れた。彼が我々の次のターゲットだ」と翔太は地図を広げながら答えた。
二人が着いた飯山は、美しい山々に囲まれた静かな町だった。しかし、その静寂の中に、異常な緊張感が漂っていた。翔太とエリカは地元のリキュール店を訪れ、情報を収集するために店主に話を聞いた。
「最近、この辺りで何か異常なことはありませんでしたか?」とエリカが尋ねると、店主は一瞬躊躇しながらも話し始めた。
「実は、ここ数日、見慣れない男が頻繁に出入りしているんです。何かを隠しているようで…」
翔太はその情報にピンときた。「彼の居場所を知りたい。何か心当たりは?」
店主は苦悩の表情を浮かべながらも、店の奥から古びた遺影を取り出した。「この男です。彼が最近、町に現れたんです」
翔太は遺影を見つめ、確信した。「これが我々のターゲットだ。すぐに動こう」
二人は遺影の男が最後に目撃された場所へと向かった。その場所は町外れの廃墟で、周囲には異常な静けさが漂っていた。
「気をつけろ、ここからは間合いが重要だ」と翔太が警戒しながら言った。
廃墟の中に足を踏み入れると、そこには男が待ち構えていた。彼は背後に隠し持っていた武器を取り出し、翔太たちに向けた。
「お前たちが来るのを待っていた。だが、ここで終わらせるつもりはない」
その瞬間、男は翔太に襲いかかってきた。翔太は素早く反応し、間合いを取って迎撃した。激しい格闘の末、男は地面に倒れた。
「なぜ裏切った?」と翔太が問い詰める。
男は苦しげに息を吐きながら答えた。「俺には選択肢がなかった。家族が人質に取られていたんだ…」
翔太はその言葉に一瞬のためらいを見せたが、すぐに冷静さを取り戻した。「それでも、裏切りは許されない」
エリカが近づき、男の懐からリキュールの瓶を取り出した。「これが証拠になるわね」
翔太とエリカは男を縛り上げ、地元の警察に引き渡した。その後、二人は再び旅の準備を始めた。
「次はどこへ?」とエリカが尋ねた。
翔太は地図を見ながら答えた。「次は、さらに深い陰謀の中心地へ向かう。まだ終わりじゃない」
二人の旅は続く。裏切りと戦いながらも、新たな希望と決意を胸に、彼らは次の目的地へと進むのだった。
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