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1ー10 整理してみよう!
私は、その夜は、エリクさんの小屋に泊めてもらうことになった。だって、他にこの辺りに知り合いっていないし。
唯一の知り合いであるお姉さん、ルシアさんというらしい、の家は、弟妹が 10人ぐらいいるとのことで却下。
しかし、狭い小屋だし、マジで1LDKってとこ。しかも小屋に鍵なんてないからエリクさんが表に通じるリビング兼食堂兼診察室?みたいな部屋で寝て私は、エリクさんの寝室で休むことになた。
私は、エリクさんの部屋のベッドに横になっていたが、眠れるわけもない。
だって。
このベッドでエリクさんが毎日寝てるのかと思うとなんだかドキドキしちゃって。
こんなドブ臭さ満載の小屋の中でなぜか、エリクさんだけは、いい匂いがしてて。
うん。
なんか香水でもつけてるの?ってぐらい爽やかで。
私は、エリクさんのベッドでエリクさんの香りに包まれてもう、眠れそうになかった。
てか、目がぎんぎんにあいてるし!
というわけでここでちょっと状況を整理してみることにした。
私が今いるのは、どこかわからない国の知らない町のなんかわけわからない貧民窟みたいな場所らしい。
なんで私がここにいるのか、とか、なんで私がここに空から落ちてきてのか、とかそんなこと、もちろん理解不能。
てか、これってもしかして異世界とかいうやつ?
だとしたら私、死んじゃったのかな?
鏡がないから良くわからないけど、私、いろいろ変わってるみたいだし。
まず、髪。
もう少し短かった筈なのに、今は、ちょっと長めのボブって感じになってるし、体も、なんというかちょっと幼くなってる?
もともとスレンダーな方だったんだけど、今の私、完璧ロリ体型だし。
これじゃ、子どもって言われちゃうわけだわ。
それに着てた服も覚えのない服だったし。
私は、必死に何があったのか思い出そうとしたんだけど、なんにも思い出せない。
ほんと前世の記憶なんじゃないかってぐらいうっすらした感じで日本にいたころのことは思い出せるんだけど、それ以外は、霧がかかったみたいになってる。
かろうじて思い出せた最後の記憶は、学校の近所の公園の主をからかって遊んでた記憶ぐらいだし。
あ、公園の主っていうのは、猫のことね。ほんとの名前は、知らないけど、いつも私が通ってた高校の近くの公園にいた信じられないぐらい太ったトラネコで、ブデ子って呼ばれてるのよ。
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