11 ダンジョンにて

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 11ー4 ポンコツ  「実は・・」  キンドさんが話したことによるとキンドさんたちは、まだダンジョンに入ることすらできていないのだという。  はい?  どういうことですか?  キンドさんは、私たちから視線をそらした。  「このダンジョンは、異常だ。なぜなら、ここに入ることもできない。少なくとも我々が入ろうとする度に、なんらかの魔法が働いて阻止された」  阻止された?  つまり、キンドさんたちは、まだ、ダンジョンに入ることすらできてないんですか?  うん。  私は、キンドさんをじとっと見つめていた。  いや、たぶん、そんな優秀ではないだろうな、とは思っていたんだけど、そこまでポンコツとは驚きだ。  ほんとのガキの使いじゃないですか。  ノマさんとクーノも微妙な顔をしている。  てか、なんで?  ダンジョンに入ることすらできないって。  どういうこと?  「やればお前たちにもわかるだろう」  キンドさんがいうので、私たちもダンジョンに挑んでみることにした。  ちょっとしたこじんまりとした家並みの小屋へと入っていくと中には、大きなクレーターがあった。  半径5メートル程度の大きさの蟻地獄みたいなものがあり、その中央に黒い孔が開いていた。どうやらあれが、ダンジョンへの入り口らしい。  私たちが下へと降りようとするとキンドさんが慌てて止める。  「やめろ!」  キンドさんが引き留めるので何かと思ったら、キンドさんいわく、ここは、蟻地獄のようなものなのらしい。  「ここに入ろうとするとみな砂の中に飲み込まれてしまう。誰も、あの中央の穴までたどり着くことすらできん。まさに地獄のダンジョンだ」  そうなんだ?  私たちは、お互いの顔を見ると頷きあった。  「とにかく行ってみますね!」  私が言って砂へと飛び込むとノマさんとクーノも続いた。それを見てキンドさんがぎゃあぎゃあわめいていたがすぐに自分も後に続く。  砂は、確かに驚異だった。  沼のように私たちのことを飲み込んでいこうとする。身動きがとれなくなっている私たちを見てキンドさんが頭を振った。  「やれやれだな。これだから初心者は」  「砂よ、凍れ!」  私が命じると、砂が一面、凍りついた。私の肩にのっていたヘイが飛び降りると巨大化して私を咥えて砂から出してくれた。ヘイは、ノマさんとクーノのことも引っ張りあげた。  私たちは、下へと向かってゆっくりと滑り降りていった。  「こら!お前たち!私も連れていけ!」  キンドさんがうるさいので私は、ヘイに頼んでキンドさんも救出させるとキンドさんもすぐに下へと滑り降りてきた。  
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