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11ー6 夜営の準備だけど?
キンドさんがゆっくりと起き上がった。
「生きてる!」
私は、思わず泣きそうになっていた。ノマさんとクーノがキンドさんをヘイの上に引き上げる。キンドさんは、なんだか嫌な感じにぬめっと濡れていた。
「さっきのは、何だったんだ?」
キンドさんがきくので私たちは、頭を振った。キンドさんは、はぁっと吐息をついた。
「あんなもんがいたんじゃ、おちおちと魔石を集めることもできんな」
ともかくここの番人とやらをなんとかするのが先決では?
私たちをのせたヘイは、通路の奥へと進んでいく。
通路は、わずかに下へと傾いているようだった。ヘイは、のんびりと下っていく。
数十分、下っていくと奥に重厚なドアが見えてきた。
「ボス部屋か!」
キンドさんが呟く。
部屋の扉の前まで行くとヘイが身を屈める。ノマさんとクーノが先に降りて私に手を貸してくれた。キンドさんも続いて飛び下りる。
ノマさんが扉に手をかけるのを見てキンドさんが慌てて止める。
「ちょっと待て!」
だが、ノマさんは、かまわず扉を開ける。
ぎぎっときしむような音が辺りに響いて重い扉が開いていく。
中には、金色の装飾が施されていてまばゆく輝いていた。その美しさに私たちは、思わず目を奪われる。
何も中にはいないようだったので私たちは、奥へと進んでいった。
中央まで進むと大きな音がして部屋の扉がしまった。
「閉まった!」
キンドさんが驚いたように言うのでなんか、かわいくなってくる。
何?
このザコキャラ感。
キンドさんが閉まった扉に近寄って開こうとしているのを私は、なんだか微笑ましく見守っていた。
イケオジなのにポンコツザコキャラ。
なんかいい。
私は、スマホを見た。
ここに入ってからもう5時間ぐらい過ぎている。今日は、ここで野宿?かな。私の考えを察したノマさんとクーノが荷物を下ろして中から夜営用の道具を取り出すのを見てキンドさんがまた騒ぎ出す。
「お前たち、何をしている?」
「夜営の準備だけど」
クーノが答えるとキンドさんがはぁって顔をした。
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