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2ー4 射程範囲内だし!
「マジか?」
クーノが、もはやこいつは、呼び捨てにしてやる!、すごい食いついてくる。
「いくつなんだ?お前」
なれなれしい。
私は、ムカアンドイラを隠すことなくクーノに答えた。
「17」
クーノがわかりやすく目を見開いて驚いて、いや、ノマさんまで驚いてる?
「ほんとに?ルシアやクーノより2つも年上なのか?」
ええっ?
驚きがブーメランだ。クーノは、ともかくルシアさんが私より年下ですと?どうみても年上にしか見えないのに!というか、15才でその胸部装甲なんですか?もう、将来は、グラビアアイドルになるしかないですね!
「まさか、俺と同い年だとは」
ノマさんがまたも爆弾発言。
この人と私が同い年?
マジですか?
「そうか、よろしくな、タザキ」
「こ、こちらこそ」
私は、声の震えをごまかせない。まさか、この人とタメとは。この世界、苦労しすぎてみんな、年をとるのが速いんじゃね?
ノマさんとクーノが作業をしている間に、私とルシアさんで昼ご飯の準備をすることになる。が、メニューは、当然、昨日の晩御飯とさほど変化はなかった。
まあ、水は、美味しかったけどね。これは、私が出した水だから!
昼食時、どこかに出掛けてたエリクさんの帰りを待ってみんなで食事にするが、私は、当然、食が進まないわけで。
「どうしたんだ?タザキ。なぜ、食事をとらない?」
エリクさんが心配そうに訊ねてくるけど、まさか、ご飯が不味いからとかさすがに言えないし。
急にクーノがエリクさんに話しかけた。
「それよりエリク様、こいつ、俺より年上ってほんとなんですか?」
「本当だ」
エリクさんが肯定するとノマさんも小声で呟く。
「マジか・・」
ノマさんが笑いながらエリクさんに訊ねた。
「俺、てっきりこいつは、エリク様の嫁になるのかと思ってたんだけど」
「それは、ないな」
エリクさんがあさりと否定。私は、衝撃に泣きそうになった。
「いくらタザキが成人しているとはいえ、私より5才も年下だし」
えっ?
エリクさんは、22才なんですか?
俄然、やる気が出てくる。十分、射程範囲内だし!
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