1 いきなりスラムかよ?

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 1ー7 残り湯の再利用?  湯浴みを終えた後、水を捨てようと思ってお姉さんを探したんだけどお姉さんの姿は、もうエリクさんの小屋にはなかった。  かわりにエリクさんがお湯を片付けてくれるって言ったんだけど、私は、それを断ろうとした。  だって、体を洗った残り湯をイケメンに片付けさせるなんて無理!ってか、見られるのも嫌!  だけど、お湯の入った桶は重くて私の力じゃ運べなくて。  仕方なくエリクさんに頼むことにしたんだけど。  お湯を見たエリクさんの表情が一変した。  「タザキ、このお湯は、君が魔法で出したものだな?」  魔法、といえばそうなのかな?  私は、エリクさんに問われて頷いた。  エリクさんは、興奮を隠せない様子で私に告げた。  「なぜ、このお湯は、聖水なんだ?」  「それは・・」  私は、小首を傾げる。  「石鹸がなかったから」  「なんだって?」  エリクさんが信じられないというように私を見つめた。  「石鹸がなかったら、なんでお湯が聖水になるんだ?」  私は、最初からきちんと説明をした。  ドブに落ちた体をきれいにするために石鹸が必要だったこと。でもなかったので仕方なくお湯を聖水にかえてそれで体を清めたこと。  私の話をきくとエリクさんは、訳がわからない、という顔をして私を見ていた。  やばい?  私、なんかまずいことした?  私は、焦ってエリクさんに弁明しようとした。  「あの!ごめんなさい!私、聖水のお風呂に入っちゃいけないなんて知らなくって」  「聖水の風呂・・」  エリクさんがなんか信じられないものを見るような目で私を見つめて訊ねた。  「タザキ、君は、もしかして」  突然、エリクさんの小屋の扉が開いて見知らぬ男たちが入ってきた。  「エリク様!」  「どうしたんだ?ノマ」  ノマと呼ばれた男の人は、他の人たちに担がれて運ばれてきた若い男の人を指して告げた。  「弟が刺された」  連れてこられた若い男の人は、腹部から血を流して呻いていた。  エリクさんは、手慣れた様子でその人の服を脱がせると傷に例の臭くてまずい液体をかけた。  いや!  それ、まずいんじゃ?  私が見てると男の人は、ぎゃあっと悲鳴をあげて悶え苦しみだした。  たぶん、なんか良くわからないけどすごいバイ菌的なものが入っちゃったんじゃないかな。  でも、薬がきかないことを理解したエリクさんは、とんでもない行動にでる。  次にエリクさんは、捨てる予定の私が入った後の桶の湯をその人の体にかけたのだ!  
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