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『我々は気象実験を地球で行っていた。雨を降らせることに失敗して、大雨が降り続くようになったが、雨を早期に止めることはできるようになった』
サクラはすぐに返信を送った。
『やっぱり、地球を利用してたのね』
しかし、宇宙人からの返信はそれを否定しなかった。
『お前たちのプログラムは素晴らしかった。プログラムが完成してから、説明するつもりだったが、最初から共同研究をしていればよかった。すまなかった』
サクラは、自分の推測をぶつけた。
『あなたたちの星が地球と似ているから、自分の星のために地球を実験場にしたの?』
すると、すぐに短い返事があった。
『地球のデータを送るから見て欲しい』
宇宙人から送られたデータを見て、サクラたちは驚くべき事実を知ることとなった。実は、宇宙人が行っていた気象コントロールの実験は、地球の未来にとって重要な意味を持っていたのだ。
「サクラ、これを見て。宇宙人が送ってきた新しいデータよ」
ユキは興奮気味に言った。彼女の目は画面に釘付けで、その声には震えが混じっていた。
「これは……気象予測データ?」
サクラは驚きの表情を浮かべ、ユキの隣に駆け寄った。サクラの心臓は早鐘のように打ち始め、手が震えた。
ユキは画面を指差しながら説明を続けた。
「そうよ。そして、このデータによれば、地球はどんどん異常気象の波に飲まれて、人間が生きていけないほど急激に悪化する。宇宙人の実験は、地球を救うためだったのよ」
サクラの顔から一瞬で血の気が引いた。地球代表とも言える立場でありながら、とんでもない無礼を働いたのだ。
サクラは震える手でデータをスクロールしながら、ユキの言葉に頷いた。
「後で謝らなくちゃ。そして、この技術を世界各国に広めよう」
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