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「でも、私たちにはまだやることがある。あれは、大雨を止めるためのプログラムだった」
「だから、電波は雨上がりの時だけ観測されたのね」
「いったい、どういうメカニズムかわからないけど」
二人は研究所のコンピュータに向かい、観測データを精査し始めた。サクラの頭の中には、無数の仮説が飛び交っていた。宇宙人が雨を止めるプログラムを作成したとすれば、その動機は何か? そして、なぜ地球の気象に干渉するのか? ただの善意だというのか。
ユキは、気象庁のコンピュータから職員の誰かが行った可能性を含めて気象庁のログにアクセスしようとしていた。ユキが語気を荒げた。
「気象庁のセキュリティが強化されていて、アクセスがブロックされた!」
「私が、もう一度やってみるわ」
サクラは汗を拭いながらキーボードを叩いた。しかし、何度試してもアクセスは拒否され続けた。一つのシナリオがサクラの頭の中に浮かんだ。
「私たちが操作した後でセキュリティが強化された。私たちが操作して雨が降り続けた。警報も鳴ったし、ひょっとして不正アクセスで逮捕されるかも」
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