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サクラの瞳が輝いた。
「もう一度、わざとプログラムの書き換えをやってみるっていうこと?」
「そうだ。そうしたら、向こうから対話をしてくるはずだ。この装置を使えば、衛星のセキュリティを突破できるはずだ」
コウジはプログラムを修正し始めた。キーボードを叩く音だけが静かな部屋に響いていた。しかし、その途中で警告音が鳴り響いた。
「さすがだな。書き換えはできなかった。だが、向こうには、わたしたちの動きが伝わったはずだ」
コウジは冷や汗を拭いながら言った。しかし、宇宙人からの反応はなかった。
「お父さん、もう一度試してみましょう。今度はきっと成功するはずよ。今度は私が」
サクラが呟き、キーを叩き始めたが、結果は同じだった。
「ユキ、お父さん、私に考えがある。宇宙人がやったようにこちらのメッセージを向こうのモニターに表示させるのよ」
サクラは、量子コンピュータが解析したという宇宙人のコンピュータ言語へ変換した。
『こちらは地球の科学者です。あなたたちの目的を知りたい。さらに、私たちは異常気象を止めたい』
しばらくの沈黙の後、返答が返ってきた。
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