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2179年、日本は異常気象に悩まされていた。
局地的な大雨が頻発し、東京ではその雨が都市機能に深刻な影響を及ぼしていた。研究所の窓から外を見つめるサクラは、そんな異常気象の原因を解明しようと日夜研究に没頭していた。
「今日もか……」
サクラは溜息をついた。
窓の外には激しい雨が降り注いでいる。
毎日のように降る、このスコールのような短時間の大雨。原因を突き止めなければ、未来の東京は沈んでしまうかもしれない。
以前は、雨がもっと長く続いたので、前よりマシとはいえ、対策を立てなければならなかった。
研究室に戻り、データを確認していたサクラは、ふと気づいた。雨上がりの空に観測される特殊な波長の電波。これが何かの手がかりになるのではないか。サクラは急いでデータを集め、解析を進めた。
「サクラ、ちょっといい?」
突然、ドアが開き、親友で同僚のユキが入ってきた。ユキもまた、異常気象の原因究明に情熱を注いでいる研究者だ。
「ユキ、どうしたの?」
サクラは微笑んで迎えた。
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