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サクラは、目にも見えないほど速くキーボードを叩き続けた。
『バックアップコンピュータに切り替えます』
画面にそう表示されるとともに、気象庁のコンピュータは正常に戻った。しかし、衛星のコンピュータは、未知のコンピュータ言語に書き換えられたままだった。
「何が起こったの？」
ユキが叫んだ。
「罠だわ。衛星のプログラムを書き換えようとすると、指示を出したコンピュータを暴走させる仕組みだったみたい……」
幸い、バックアップコンピュータが作動し、重大な被害は避けられた。
「気象衛星のプログラムはそのままなの？」
サクラの肩を掴んでユキが震えていた。
「そうよ。一体、どうすれば？」サクラは考えを巡らせた。「もし、別のOSからアクセスすれば、罠は発動しないかもしれない」
サクラは、自己開発のOSで動く自分のパソコンを取り出し、アクセスを試みた。しばらくして、衛星のコンピュータをバックアップコンピュータへ切り替ることに成功した。
「やったわ、ユキ！ これで元通り！」
座って操作していたサクラの横で、ユキがその場に座り込んだ。
「これで、異常気象は無くなるのね」
「プログラム自体は理解できなかったけど、誰がどんな原理で異常気象を発動していたのかしら」
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