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「どういうこと?」
ユキが首を傾げている。サクラは、ユキの手を引っ張った。
「戻ってみよう!」
衛星コントロールルームに入ると気象庁のコンピュータに文字が表示されていた。
『私は、お前たちが宇宙人と呼んでいる存在だ。お前たちは、私たちが作った大雨を止めるシステムを停止させた。お前たちがシステムを元に戻したから大雨が続いたんだ。雨雲を察知して雨をやませるシステムを今、再起動した。もう、手を出すな』
サクラとユキは顔を見合わせた。科学と友情の力で解決したと思っていた問題が、さらに深い謎を孕んでいることが明らかになった。
宇宙人のメッセージに衝撃を受けつつも、今やらねばならないことは明確だった。日本中の雨がやんでも、まだパニック状態の庁舎を背に、二人はデータ解析のために再び研究所に戻った。
「ユキ、あのメッセージ……本当に宇宙人が関与しているの?」
サクラは疑問の声を上げた。
「信じがたいけど、この状況を説明できるのはそれしかないみたい」
ユキは疲れた声で答えた。
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