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ぼくらは おどろいた
ぼくらにとって ぼくらに意味はなかった
でも 目の前の子供にとっては……
声をかける意味があったのだと
その時は なにもできなかったけど
子供が帰ったあと ぼくらは考えた
『どうして ぼくらを見上げていたんだろう』
『こころはあるのかって聞いていたね』
『そうだね』
『きっと、ぼくらみたいに探していたんだ』
そこまで考えたぼくらは
うれしくなった
『こころは 最初からはないのかもしれない』
『あの子のおかげだ』
『なにかしてあげたいね』
『そうだね』
不思議だね
ぼくらに意味をくれた子供に
なにかしてあげたいと思うなんて
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