Prologue Star

1/3
前へ
/6ページ
次へ

Prologue Star

“あーいいのいいの、もうすぐ逝くんだからさ” ちっとも良くないだろうに、病院の屋上で煙草の煙を燻らせながら得意の言い回し。彼はニッと笑った。 「何だよ、泣いてんのかよ。しけてんなぁ…。じゃあ楽しくなるように1つゲームでもすっか?」 「どんなゲームだよ……」 ーーお願いだから泣かせないでよ。 わたしは泣きたくない。 ずっとあんたの隣で、愚痴や文句並べて笑っていたい。 そうさせないのはそっちだよ。 病院の“白”が不釣り合い。 パジャマなんか持ってたの? て未だに笑いたくなる。 そんな男が、これから勝ち負けの決まった出来レースみたいな病気で死ぬだなんて信じられなかった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加