16人が本棚に入れています
本棚に追加
Prologue Star
“あーいいのいいの、もうすぐ逝くんだからさ”
ちっとも良くないだろうに、病院の屋上で煙草の煙を燻らせながら得意の言い回し。彼はニッと笑った。
「何だよ、泣いてんのかよ。しけてんなぁ…。じゃあ楽しくなるように1つゲームでもすっか?」
「どんなゲームだよ……」
ーーお願いだから泣かせないでよ。
わたしは泣きたくない。
ずっとあんたの隣で、愚痴や文句並べて笑っていたい。
そうさせないのはそっちだよ。
病院の“白”が不釣り合い。
パジャマなんか持ってたの? て未だに笑いたくなる。
そんな男が、これから勝ち負けの決まった出来レースみたいな病気で死ぬだなんて信じられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!