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「……朗報を期待していてください」
「まあさ、そこまで気張る必要はないよ。
落ちたら残念会だし」
「うっす」
大橋さんにここまで気遣ってもらい、明日の面接は上手くいきそうな気がしていた。
「不採用だったです……」
ぐったりとカウンターに突っ伏す。
自分としては頑張ったが、笑顔は引き攣っていたし質疑応答はつっかえつっかえだった。
そりゃ、落ちるというものだろう。
「まあほら、練習だったと思えばいいじゃない?」
落ち込む俺を前にして、大橋さんは苦笑いしている。
「そう、ですね……」
もそりと重い頭を持ち上げた。
それでもネクタイを締めてそれなりの時間を過ごせたし、スーツ姿の男性相手に一応はしゃべれた。
これは一歩前進といってもいいんじゃないだろうか。
「次、頑張ります」
「うんうん、その意気だよ。
ほら、残念会をしよう。
なにが食べたい?」
彼がメニューを手に俺に聞いてくる。
「あー……。
我が儘なお願い、してもいいですか」
受け取ったメニューは開かず、上目遣いでちらっと大橋さんをうかがう。
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