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「うん、いいよ。
なんでも陽一くんの好きなもの、作ってあげるって約束だったし」
そう言ってもらったものの、こんなお願いをするのはまだ申し訳なく、そろりと口を開いた。
「……全部のせカレーが食いたいです」
「全部のせカレー?」
不思議そうに大橋さんがその眼鏡の向こうで、何度か瞬きをする。
「はい。
その、ハンバーグと、エビフライと、ゆで玉子がのった、カレー……です」
言ってはみたものの、さすがにこれは図々しすぎるなと自分でも思った。
「あ、いえ!
ハンバーグだけのせてもらえれば満足です!」
「わかったよー、ハンバーグとエビフライとゆで玉子、だっけ?
確か昨日のランチで使ったロースが残ってるし、あれもカツにしてのせちゃおうか」
もう、うきうきと大橋さんは調理をはじめている。
「そんな!
カツもとか悪いです!」
大慌てで断ったものの。
「え、もしかしてカツまでは入らない?」
少し悲しそうに、彼は眼鏡の奥から俺を見てきた。
「いえ、余裕で入りますけど。
でも」
「じゃあ、決まりだね。
中途半端に残ってても困るし、食べてくれるほうが助かるんだよ」
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