第二章 昔飼っていた犬

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絶対、全部のせたらうまいだろうと思っていたが、相乗効果で想像以上だった。 定番メニューにしてほしいところだが、手間がかかるから現状では無理かな……。 「そういえば。 大橋さんはなんで、俺にここまで親身にしてくれるんですか」 「なんだい、藪から棒に」 彼はなにを突然言い出したのかとおかしそうに笑っているが、そうではない。 今まで気になってはいたが、ただ単にタイミングがあわずに聞けなかっただけだ。 「あー、いやー……」 それでもここでお世話になるようになってそろそろ一ヶ月すぎようとしている今では、遅すぎていまさら感しかなく、恥ずかしくなった。 「んー、そーだねー。 あの日、陽一くんが怨霊みたいな顔をしてたのもあるけど」 「怨霊は酷くないですか」 酷い顔をしていたであろう自覚はあるが、さすがに怨霊はない。 「えー。 だってさ、目の下真っ黒で目つき悪いし、しかも髪もなんかぼさっとしてて、いかにも『呪ってやるー』って声が聞こえてきそうだったよ」 思い出しているのか大橋さんは笑っているが、俺はそこまでヤバい顔をしていたのか。 そりゃ、契約なんて取れないわけだ。
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