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たまに買う、数軒隣の肉屋で売っているメンチカツなんて目じゃないほど、ジューシーだ。
さらに、スパイスがよく利いている。
それがかかっているトマトソースとよくあっていた。
「大橋さんって本当に、料理上手ですよね」
「んー?
僕は別に、料理上手じゃないよ。
残されたレシピどおりに作ってるだけだからね」
何気なく言い、アフターのコーヒーを彼はお客に運んでいった。
なんとなく、店内を見渡してしまう。
かなり年季が入っているし、もう長くここに佇んでいる感じがした。
大橋さんがお客の相手をしているうちに食べ終わり、いつものように皿を持ってカウンターを回る。
俺が皿を洗っているうちに、新聞を読んでいる老爺を残して他の客は帰った。
「いつもありがとね」
「いいえ」
もうここの皿洗いも慣れた。
この時間が楽しいとすら思っている。
「もうこの店、長いんですか」
今まで店の話はしてこなかったが、さっきのあれで少し聞いてみたくなった。
「そうだねー、五年になるかな」
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