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だったら、食洗機を直さずに手洗いしていた理由がわかる。
閉めるまでの僅かな間なら、修理しなくてもいい。
「そうそう。
あきさんの三回忌が済んだから閉めるとか言い出して。
あのときはどうしようかと思ったよ」
大橋さんは笑って町谷さんの話を聞いているが、あきらかに黙れと圧をかけていた。
「あっ、えっと……。
僕、次の約束があるの忘れてた!」
大橋さんの無言の圧力に気づいたのか、町谷さんが気まずそうに残りを一気に掻き込む。
「ごちそうさま!
じゃあ!」
叩きつけるように千円札をカウンターに置き、町谷さんはそのままあとも見ずに店を出ていった。
「あ、お釣りは……」
「今度来たとき渡すからいいよ」
苦笑いで置かれた千円札を掴み、大橋さんはレジにしまった。
「その。
……あきさん、って」
聞いてはいけないのはわかっていた。
けれどそれが、俺にも関わっている気がする。
「んー。
もう皿洗い、終わったんでしょ?
コーヒーでも淹れようか」
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