第三章 パートナー

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「やめたのは俺のせいですか」 そうじゃないと言ってくれ。 そう願ってしまう。 いつまで経っても直さない食洗機は、それを暗示しているんじゃないか。 「そうだね。 でっかい犬を拾ってしまったから、閉められなくなった」 少し困ったように、彼が笑う。 「でも、もう僕は犬と一緒に暮らす気はないんだ。 里親が決まったら、今度こそ閉めるよ」 眼鏡の奥の瞳は揺るがない。 それだけ決心は固いのだと感じさせた。 大橋さんに拾われた俺は、それなりに可愛がってもらえているのだと思っていた。 でも、それは全部俺の勘違いだったのだ。 俺の居場所は最初からここにはない。 ただ、大橋さんは雨宿りの軒を貸してくれただけ。 俺はもうすぐ、ここを去っていかねばならないのだ――。
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