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いや、でも、ナポリタンを食べたところできっと満足できず、明日も寄っていただろうし。
だとしたら出費が一回で済んでよかったと思おう。
「おまたせ」
少しして、俺の目の前にもカレーが置かれる。
ゆで玉子が添えられ、肉がごろごろ入ったそれは美味しそうだ。
スプーンで掬いひとくち、口に入れる。
ひさしぶりのまともな食事、しかも肉となれば感動で声が出そうになったが押しとどめた。
極度の空腹状態だったのもあるだろうが、とにかくうまい。
無心でガツガツと食べ進めた。
満腹状態になり、満足してスプーンを皿に置く。
金がなくても無理して食事をして正解だった。
これで明日から、少しは頑張れそうだ。
会計でレジの前に立って不安になった。
よくある、○○Pay使えますのシールや札がない。
「千四百円になります」
「えっと。
……にゃん払いは使えますか?」
使えると言ってくれ、そう願いながらおそるおそる尋ねてみる。
「すみません、うちは現金のみなんですよ」
その答えを聞き内心、だらだらと嫌な汗を掻いた。
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