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二見はベッドサイドのランプの灯りをつけた。ベッドの辺りだけが照らされて、二見の顔がうっすらと見える。
「和也の居場所はどこ」
俺はそれだけが知りたい。何をするかわからない二見に付き合っていられる余裕はなかった。早く和也にあって、こうなってしまった理由を......
二見はこちらをじっと見て、「知らんよ」と吐き捨てた。
「ボク、ミヨシのことなんて知らん」
こいつは何を言ってるんだ。確かに和也は二見のことを友達と言っていたはずだった。二見はきっと俺に嘘をついているのだと思った。俺を和也に近づけないようにするつもりなのだろうと。
「どうして!? 本当は知ってるんだろ!?
はやく! はやく教えてよ!」
思わず声が荒ぶってしまう。久々に出した大声は細い喉を抉るように掠れてしまった。
「ボクが知っとるのはひとつだけや....」そう言って、変に冷静な表情で、纏っていた服を1枚1枚脱いでいく。そうして外気に晒された二見の肌は、見た事のない量のピアスが全身に埋め尽くされていた。
「これな、全部ミヨシがやったんや」
二見の傷だらけの身体を見て、惨い、その一言が真っ先に思い浮かんだ。二見はこちらに近づき、俺の手を取って自分の胸に当てた。釘のようなピアスが刺された二見の胸の突起は、冷たい外気に触れ、ぴんと勃っている。
「ほんまに酷い男やと思わん?」
俺に何かを懇願するかのように二見の黒い瞳が潤み、今にも崩れてしまいそうな笑顔で笑っている。
「和也が......そんなことするはずない」
俺は二見の言葉が信じられなかった。だって和也はみんなに優しくて、何より俺を1番に愛してくれる。俺に対して見返りを求めない優しさの塊のような人間だ。和也は誰よりも清く正しい聖人なんだ。そうだった...
「信じられへん? そっかユウくんは知らんもんな」
呆然と立ち尽くす俺の手を二見が強く引いた。二見は白く長い指を俺の指と絡ませ、俺はそのままベッドに押し倒された。二見は俺の上に跨り、俺の服を丁寧に剥がしていく。頼りない光に晒された俺の身体を見て、「綺麗やなぁ」と言った。
「心底羨ましくて、心底可哀想や」
二見は露になった俺の鎖骨に、ガブリと齧り付いた。
「あ゙っ、いったぁっ!」
指先が痺れるほどの痛みが走る。身を捩る俺の顔を掴んで、二見はまた脆く笑っている。
「知っとる? ミヨシのセックスは凶暴なんや」
痛みで目に涙が滲む。歪む視界の中で、
二見の頬にも同じように雫が伝ったのを見た。
その雫が二見の肌を滑り落ち、俺の鎖骨につけられた歯型に浮かぶ血と混ざりあった。
「知りたない? ミヨシの欲望を。ボクなら教えてあげられる。やからなぁ......」
「ボクにも教えてくれへんかなぁ? ユウくん......」
触れるシーツから微かに香る和也の匂いが、俺の思考を沼に突き落とす。
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