橋渡し人(びと)

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 唐津城の目の前の駐車場に車を停めて、目の前の通りを渡るための地下道を潜り抜ける。唐津城は城から左右に広がる砂浜が鶴が翼を広げた姿に見立てられ別名舞鶴城とも呼ばれる。  天守閣を目指すため石段を登り中段広場の天然記念物紫フジの脇を通りまた西門口の石段を登る。そのまま登り切った所で西門を潜り本丸に辿り着く。そこから天守閣への入り口があり天守閣観覧料二人分千円を払い入場する。  宏樹は何年ぶりにここに入場したのだろうと思った。地元を離れ二十年ほどだ。福岡、東京と転々とし、現在は長崎にいる。懐かしく思いながら城の中の階段を昇る。  二階に上がると唐津城や唐津に関しての年表や資料が展示してある。実紗は別の資料を見ている。  そこでまたここで偶然なのかなんなのか分からないがある事実を知る。  ──ああ、ここでも俺はあなた達と出会うのですね──  そう、そこには日本二十六聖人の中の一人とある人物について記述してあった。
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