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疲れたと帰る彩花を見送り、残りの営業時間を過ごした後、いきつけのバーに足を運んだ。もう夜中の一時を回っている。
「おぉ、いらっしゃい」
マスターの涼介が挨拶をした。
「涼ちゃん、今日もジャックハイボールで……」
宏樹はカウンターのいつも席に陣取ると涼介が作るジャックハイボールを待った。手際よくハイボールを作ると宏樹の前にジャックハイボールを差し出した。
「涼ちゃん、今日は暇みたいだな……もう隣に座ったら……一杯飲みなよ……」
しかし、宏樹が言う前に涼介は同じものを作り用意していた。
「相変わらずだな。涼ちゃんは……」
隣同士で座り乾杯をした。
「マリーも一杯飲みなよ」
傍らには涼介の恋人マリーもいてアリガトウと言いながらテキーラをショットグラスに注いだ。
「マリーも相変わらずだな」
マリーはフィリピン人でもう日本も長くある程度の日本語は理解が出来る。
「ヒロクン……カンパイ」
今度は三人で乾杯をして今日の疲れを癒した。
「ところで宏君さぁ……明日、暇?」
「どうした? 明日は日曜だから暇っちゃ暇だけど……」
三人は気心が知れていて良く遊びに行く仲だった。
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