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宏樹は困惑した。ここ最近の偶然のはなんなのか分からずにいた。そのまま横を通り過ぎ教会に入ると宏樹は一瞬で鳥肌に包まれた。
「どうした? 宏君」
「いや……なんでもない」
涼介が心配して聞いてきたが宏樹は黙ったままだった。マリーが祭壇に祈りを捧げた後、教会の中を見回った。すると宏樹はある場所で立ち止まった。その場所に立ち止まると涙が溢れてくる宏樹。別にキリスト教徒でもない宏樹はそのまま鳥肌を立てたまま涙を流す。そこには金色の王冠を被せたような縦長の特別な棺が設置されており、観音開きで開くことが出来た。宏樹はそれを開くとガラスケースの中に誰かの骨らしきものが納められていた。ガラスには記述があり、捕らえられ処刑された聖パウロ三木、聖ヤコボ喜斉、聖ヨハネ五島の聖遺骨と記されていた。
なぜかそこから動けずにいた宏樹は昨日からあった肩の重みがすっと抜けていく感じを覚えた。
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