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徳川さんは。
「あ、ごめんごめん」と謝ってくれたが。
川島は……。
「んだよ邪魔って、学校で話をして何が悪いんだよ。つーか邪魔って何だよ? ゴリべーなんて、たかがゲームだろ?」
「は?」
たかがゲーム……だと?
「なんだ? やんのか? お?」
川島が凄んでくる。
一色触発の空気、徳川さんが止めに入ってきた。
「や、やめなよ! 二人共っ! てっちゃん! それにしても今の言葉は駄目だよっ! 朝陽くんにとってゴリべーは……――」
「もういい」咄嗟にそんな言葉が口から出た。
「二人でイチャついていたいなら勝手にしろ。オレは帰る」
「朝陽くん! 待って!」
徳川さんの制止声に耳を傾けず、オレは部室から出て行った。
ゴリべーに集中出来ないのなら、あそこへ寄る意味なんて何一つないからだ。
どうぞご勝手に愛を育んでくださいな。
☆ ☆ ☆
「ちょっと待って、島内くん!」
昇降口のところで、手を掴まれ引き止められた。
石井さんだった。
「その様子……何かあった?」
その様子? 何のことだ?
「別に? オレはいつも通りだけど……?」
「何かあったのね。顔に書いてあるわ」
うそ、顔に? 油性マジックじゃなかろうな。
石井さんが、提案してくる。
「ちょっと待ってて、この書類を職員室へ届けたら、私ももう帰れるから。一緒に帰りましょう」
「お、おう……でも、石井さんの家って、オレんちとは逆方向だよな?」
「大丈夫。小腹が空いたからマックスバーガーへ寄りましょう。そしてハンバーガーを食べるの。それならまったくもって問題ないわ」
小腹……。
そうは言っても、この人めちゃくちゃ食べるんだよなぁ……この見た目で。
しかしまぁ、せっかくのお誘いだ、断る理由はないな。
「分かった」
「うん、じゃあこの書類、届けてくるから待っててね。あ、やっぱりここはマズいかも、先にマックスへ向かってて、後から自転車全速力で追い付くから」
マズい……?
まぁ、石井さんがそう言うのならそうなのだろう。
「了解、じゃあマックスで待ってるから」
「うん、まってて。それじゃあ後でね」
パタパタと小走りで、石井さんは職員室の方へと去って行った。
大変だなぁ……学級委員長も。
今度また、機会があれば手伝おうか。
とまぁ、そんな訳でオレは一足先にマックスバーガーへ向かうこととなった。
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