すすめ!オオワシ宅急便!

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すすめ!オオワシ宅急便!

「待てやゴラあああああああああああああああ!」 「ひえええええええええええええええええええええええええええええええ!」  どうもこんにちは。俺、オオワシです。オオワシのイヌイって言います。  現在お空の上にて、カラスに追いかけまわされて大絶叫中。何で追われてるかって?カラスの巣をつついて怒らせたからですが何か? 『お願いしますわ、オオワシ宅急便さん』  俺にそう頼んできたのは、ツバメのマダムだ。 『あたくし、どうしても雛たちにご飯を届けたいの。でも、商店街付近に最近カラスが増えちゃって、なかなか巣への行き帰りが大変でねえ。とりあえず一日だけでいいわ。カラスさんたちをひきつける囮になってくださらない?そうすれば、あたくしと旦那でその間に雛たちに餌を届けられるわ。お願いね!』  そう、俺はオオワシ宅急便。  人間や動物、いろんな者達にお届けものをする仕事だ。本来なら、ものを届ける、のであって“届けるためにカラスを怒らせて囮になる”なんて完全に管轄外なのだが――。  いかんせん、ツバメのマダムがかなりの美人だった。いわゆる美魔女ってやつだった。俺ってば、年上好み、麗しい熟女に弱いのだ。流れるように依頼を引き受けてしまってこのザマである。 「止まれえええええええ!ぶっ殺してやらあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 「そう言われて止まる馬鹿いるううううううううううう!?」  屋根の影に隠れ、電柱の影に隠れ、木陰に隠れと繰り返してもすぐに見つかってしまう。いかんせん、俺ってばオオワシ。体がでっかい。まあ、だからツバメの夫婦が雛たちにご飯を運ぶための囮として有用だったとも言えるが。 「殺す殺す殺す殺す殺おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおす!」 「いいいいいいいいいいいいいいやああああああああああああああああああああああああああああああ増えてるううううううううううううううううううううううううううう!?」  カラスは頭がいい。  時には仲間同士連携して敵を襲撃することもある。  いつの間にか、俺を追いかけるカラスは群れになっていた。捕まったらマジ何されるんだこれ!と俺は大いに震え上がったのだった。
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