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□■□■ 「ちょっと、さっさと掃除を済ませなさいよ」 「ったく、トロイわね」 「は、はい、すみません」 シンデレラは意地悪な義姉にこき使われている。 ツギハギだらけのボロボロの服を着て、家の床を磨いているが、義姉2人はお城で開かれる舞踏会に向けて準備をしていた。 舞踏会は明日の夜だが、王子が妃を選ぶ為に催されたパーティだ。 義姉2人は当然自分達が認められたい。 いかにして王子の気をひくか、2人共それしか頭になかった。 姉達が美しいドレスを試着する間、シンデレラは床に這いつくばっていた。 しかし、シンデレラはΩだった為、発情期が近づいている。 βである義姉はフェロモンに気づかない。 それから丸1日が過ぎていき、義姉2人はシンデレラに雑巾を投げつけた。 「あんたは床をピカピカに磨いてなさい」 2人は新調したドレスを纏い、宝石類で着飾って出かけて行った。 シンデレラも舞踏会に行きたかったが、継母と実父は先に他界してしまい、血の繋がらない義姉に頼るしかない身分だ。 舞踏会の事は忘れ、ひたすら床を磨く事に専念した。 けれど、Ωのフェロモンはαを呼び寄せる。 この一帯を縄張りとする魔法使いが、シンデレラの前に現れた。 「あなたは誰ですか?」 シンデレラは突然現れた男を見上げ、目を見開いている。 男は燕尾服にシルクハット、手には杖を持っているが、みすぼらしいシンデレラを見て怪訝な顔をする。 「私は魔法使いだが、お前は義姉にいじめられているだろう、Ωだから差別されてるのか?」 魔法使いは以前からシンデレラの存在を把握し、遠くから様子をうかがっていたが、いじめられている原因については知らなかった。 「俺と義姉は実の姉弟じゃない、父さんと継母は亡くなりました、それよりも魔法使いって……」 シンデレラは立ち上がって答えたが、魔法使いなんか会った事がなく、珍しそうにまじまじと見つめた。 男は立派な口髭を生やしている。 城の王子には見劣りするものの、垢抜けた雰囲気の2枚目だ。 「なるほど、義姉は後妻の子か、それで意地悪なんだな、それにしても……このフェロモン、耐えられない」 魔法使いは湧き上がる衝動を抑え切れず、シンデレラの腕を掴んで抱き寄せた。 「あっ……あの」 シンデレラはドキドキし始めた。 「私はαだ、Ωと出会ったからには……Ωならわかるだろう」 魔法使いはシンデレラの耳元で意味深な事を囁く。 「あっ……」 シンデレラは発情期に入っていた事に気づき、αを惹き付けてしまったんだと思った。 確かに、この魔法使いには惹かれる物があるが、出会ったばかりの相手と契ってはマズい。 「駄目です、離してください……」 体を離そうとしたが、一旦火のついたαは止めようがなかった。 「酷な事を言う、αの性質は知ってるだろう、そこのテーブルを使う」 魔法使いは、魔法を使ってシンデレラをテーブルに押し付け、身動き出来ぬ状態でうつ伏せにした。 「そんな、やめてください」 αがフェロモンで暴走する事は知っているが、今交われば子を孕む可能性がある。 シンデレラは腕を立てようとしたが、微動だにできない。 「シンデレラよ、諦めろ」 魔法使いにとって、人間を意のままに操るのは朝飯前だ。 魔法で薄汚れた服を剥ぎ取ると、露わになった肌を興奮気味に撫でる。 「Ωの肉穴が、私を欲している」 股間から猛りが露出し、いきり立つ竿はヨダレを垂らしてビクついた。 「待って……、俺はΩだが、知らない相手と契るのは嫌だ」 発情したΩの体はαを求めていたが、シンデレラはそんな事を望んでない。 「安心しろ、悪いようにはしない」 魔法使いは宥めるように言うと、陰茎をアナルに埋めていった。 「ほおー、これはいい」 発情したアナルはαを迎える為に濡れている。 熱くぬめる肉穴は、αの竿に食らいついて引きずりこんだ。 「うう、や、やめっ……」 シンデレラは湧き上がる快感を振り払うように、顔を左右に振って叫んだが、アナルはグチュリと音を立てて竿を呑み込んでしまった。 「シンデレラ、お前はΩとしては素晴らしい出来だ」 魔法使いはうっとりと目を細め、腰を動かして陰茎を突き込んだ。 シンデレラはテーブルに顔を擦りつけて呻いたが、快感が容赦なく襲いかかってくる。 「う、くっ、ううっ!」 「ああ、気持ち良すぎてもう出る、子種が出るぞ」 魔法使いは射精感が迫り、腰の動きを早めていった。 「あっ、あっ、あっ……」 シンデレラはテーブルに磔にされ、突き入る雄に感じていた。 魔法使いはいよいよとなったところで腰を突き出し、体を強ばらせて射精し始めた。 「うーっ、た、堪らん」 ビューっと中に出しだら、蕩けるような快感に包まれる。 「んあっ、ああっ!」 シンデレラは中イキしてしまい、自らも射精した。 身ごもったりしたら、意地悪な義姉に責められる。 そんなのは目に見えていたが、体は種を吸収していった。 「ふうー」 魔法使いは好きなだけ出して、陰茎をズルっと引き抜いた。 「うっ……」 シンデレラはアナルを摩擦されて体をピクリと震わせたが、魔法使いに種付けされて茫然となった。 「αとしての役目を果たした」 魔法使いは満足そうに言って陰茎をしまい込み、シンデレラを向かい合わせにすると、腕に包み込んで抱き寄せた。 「いきなり……酷い……」 シンデレラは魔法使いを責めたが、魔法使いは唇を奪って貪るように吸った。 本当は好きなだけ交わりたかったのだが、気の毒なシンデレラを幸せにしてやりたい。 キスをやめて魔法を使い、シンデレラに豪華なドレスを着せてやった。 「あ……こ、これは」 シンデレラは煌びやかなドレスを見て驚いた。 「今から舞踏会に行け」 魔法使いはひとこと言って、バサバサに乱れた髪を美しく結い上げた髪に変えてやった。 「あ、髪が、あのでも……俺はあなたの番になるんじゃ?」 シンデレラは異変を感じて髪に触れたが、不安げに聞き返す。 αから種を受けてしまった以上、番になるのがキマリだからだ。 「魔法使いには番は不要だ、お前は王子を射止めろ、妃になるのだ、お前なら必ず選ばれる」 魔法使いは端から番になるつもりはなかった。 代わりにシンデレラに命じる。 「俺が妃に?」 思わぬ事を言われ、シンデレラは狐につままれたような顔をした。 「そうだ、ほら靴も……これを履け、馬車も外に用意してある」 魔法使いはガラスの靴をシンデレラの前に出して言う。 「綺麗な靴……」 シンデレラはキラキラ光るガラスの靴に引き寄せられ、恐る恐る靴を履いた。 「さあ、行け、但し魔法は12時までだ、それを過ぎたら魔法は消える、それまでに戻って来い」 魔法には制限がある。 魔法使いはその事を伝えると、ドアを開けてやった。 外には白馬2頭だての立派な馬車が待っている。 「わあ……」 シンデレラは貴族が乗るような豪華な馬車に目を見張った。 魔法使いが『乗れ』と命じると、足が勝手に動き出し、そのまま馬車に乗り込んだ。 馬車はすぐに走り出し、まっすぐに城へ向かった。 お城に到着したら、ちょうどダンスが始まっていた。 シンデレラは馬車から降りて広間に向かったが、入り口を通り抜けて広間に足を踏み入れると、美しい姫の登場に皆息を呑み、動きを止めて一斉に注目した。 義姉2人もいたが、見違えるような身なりをした姫が、みすぼらしいシンデレラだとは気づかなかった。 王子も姫に釘付けになっていたが、王子はαだったので、尚更強く惹き付けられた。 「どちらの姫かわからぬが、なんと美しい」 シンデレラの前にやってきて、手を握り締める。 「あ、あの……」 憧れの王子にいきなり手を握られ、シンデレラは戸惑ったが、王子はフェロモンに刺激されて我慢出来なくなってきた。 「皆の者、ダンスを続けるがよい、私は姫と2人きりで話がしたい」 皆に向かって言うと、シンデレラの手をひいて奥の扉に向かう。 側近が慌てて後について行ったが、王子はある部屋の前で立ち止まり、側近に向かって『しばらく邪魔をするな』と言った。 側近は頭を下げて引き下がり、王子はシンデレラを部屋の中に案内した。 シンデレラは緊張してカチコチに固まっていたが、王子は部屋に鍵をかけると、その場で服を脱ぎ始めた。 「姫はΩとお見受けする、何故姫がΩになられたのか、私にはわからぬが……私はαだ、姫を抱かねばならない」 王子は真っ裸になって、シンデレラを抱き上げる。 「あの、俺は……」 シンデレラは魔法使いと契った後だ。 王子と契る事を躊躇したが、αがフェロモンを嗅いでしまったら、止めようがない。 シンデレラをベッドに寝かせると、ドレスを脱がせて裸に剥いた。 「姫、いきなりですまないが、我慢できぬ」 王子は申し訳なさそうに言って前ににじり寄り、猛る肉槍をアナルに突き入れた。 シンデレラは強烈な快感に襲われ、背中を反らした。 「ふあっ!」 「姫、な、中が……堪らない」 王子は取り憑かれたように腰を振り始めたが、αとしての本能が理性を奪っていた。 「んあっ、あっ、あぁっ……」 シンデレラは喜びに満ち溢れ、Ωとして純粋に快楽を求めている。 雲の上の存在だと思っていた人が、自分と体を交えるだなんて、信じられない出来事だからだ。 「姫、そなたを妃にする、私の子を産め、産ませるからな」 王子は見目麗しいシンデレラに一目惚れしたのもあるが、Ωとしての淫らな肉体は、王子を惹き付けてやまなかった。 絡みつく熱い肉穴を無心になって擦り上げ、勃ちあがる乳首を甘噛みしながら『妃になれ、孕め』と繰り返し口走る。 シンデレラは激しい交わりに喘ぎ、王子を抱き締めて悶えた。 重なる2つの肉体は、ひとつになって大きく揺れ動いていたが、やがて王子は深く貫いて止まった。 「くうっ、姫……」 低く呻き、シンデレラの奥深い場所に子種を撒き散らした。 ビュルビュルと注がれる体液は、シンデレラを惚けさせる。 「っ、はあぁっ……」 腹の中では、魔法使いの種と王子の種が入り交じっていたが、シンデレラは放たれる子種を歓迎した。 王子はたっぷりと中に注ぎ込んだが、発情期のΩを前にしたら、まだまだ満足は出来ない。 交接は複数回続いた。 シンデレラの体内に新たな命が芽生え始めていたが、時計がボーンと低い音を響かせて午前零時を知らせた。 「あっ!」 シンデレラは魔法使いの言葉を思い出し、慌てて起き上がった。 「なんだい?」 王子はキョトンとしていたが、シンデレラは急いでドレスを被り、鍵を開けて部屋から飛び出した。 「マズい……」 魔法が解けたらただの貧しいΩに戻ってしまう。 外に走り出て馬車に乗ったら、馬車はすぐに走り出した。 焦るあまり、ガラスの靴を片方落としていたが、そんな事はどうでもよかった。 その様子を義姉2人が見ていたが、2人は得体の知れない姫に王子を独り占めされ、2人して舌打ちしていた。 家に着いた途端、馬車はカボチャに変わり、白馬はネズミに変わった。 身につけたドレスは消え去り、薄汚れた服を着ている。 たった今起きた出来事は夢物語だった……。 シンデレラは落胆したが、例えいっときでも……夢を見られた事に感謝した。 それから幾日も過ぎていき、シンデレラは惨めな毎日を過ごしていた。 そんなある日、お城からの使いがやってきた。 使いの者は姫が落としたガラスの靴を持ち歩き、その靴を履ける者を探しているという。 王子が姫を探すように命じたのだ。 義姉はチャンスとばかりに交代で靴を履いたが、2人の足にはまったく合わなかった。 使いの者は、ふと汚い身なりをしたシンデレラに目をとめた。 声をかけたら、義姉が『この子はほっといて』と言ったが、使いは念の為シンデレラに靴をはかせてみた。 すると、見事にサイズが一致した。 「あなたが探していた姫だ」 使いの者はシンデレラを城に連れて行くといい出し、義姉は激しく抗議したが、使いの者は2人に向かって『邪魔したらギロチンにかけるぞ』と言った。 シンデレラは城へ招かれ、王子と再会した。 その後、王子はシンデレラを妃として迎えた。 それから1年後、2人の間には子供が生まれていた。 双子の男女だ。 シンデレラは庭園の真ん中で子供達と戯れている。 色とりどりの花の向こう側に、3人をこっそり覗き見る男がいたが、それに気づく事はなかった。 男は魔法使いだったが、魔法使いは小さな男の子をじっと見つめていた。 その子は間違いなく我が子で、女の子の方は王子の子供だった。 それから更に数日後。 シンデレラは庭園の片隅にいたが、のしかかる男と熱い口づけを交わし、体内に男の種を迎え入れていた。 「シンデレラ、すまない」 魔法使いは口づけをやめて謝ったが、シンデレラは発情期に入っている。 こんな事をしては駄目だとわかっていたが、我慢出来ずに体を交え、シンデレラの体内に再び子種を注ぎ込んだ。 「妃になれたのはあなたのお陰だ、だから構わない」 シンデレラは魔法使いの背中にしがみついて言った。 シンデレラ自身も、男の子は魔法使いの子供だと気づいていた。 魔法使いが現われなければ、今も雑巾を握って床に這いつくばっているだろう。 自分を幸福に導いたαを拒む事は出来ない。 むしろ、欲望のままに欲しがった。 魔法使いは抑制を失って2度目に挑み、キスをして舌を絡めながら上り詰めた。 「うっ、シンデレラ、私の子を産んでくれ、また双子にしてやる、片方は王子の子だ」 快楽に痺れて思いっきり種を飛ばして口走ったら、シンデレラは優しい目をして頷いた。 「わかった、また双子を産む、あなたの好きにしてくれ」 「愛してる、ああ、堪らない」 魔法使いは色香を撒き散らすシンデレラに昂り、3度目に挑んだ。 2人は大地の上で愛し合い、本物の番のように互いを求め合っていた。
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