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2・入院生活
病院に入院してから、早くも一ヶ月が訪れた。
入院生活初日、朝の日差しで目を覚まし朝食を食べ健康診断・心のケア・手足の運動・体全体の運動・病気検査を行った。
何時もの暮らしとは違っているからなのだろう。
「目覚めが早いなぁ、、、。」と心の中で感じた。
時計を見ると6:00だったのだ。
眠気が浅かったし、今から寝ようとしても寝れる気がしない。
そう思いながら大場さんが部屋に入ってくるのを待った。
数時間後。
大場さんが、俺のいる部屋に入って来た。
「山田さん、おはようございます!随分と早めに起きられたのですね。体の調子はどうですか?会話できるくらいにまで体力は回復しましたでしょうか?」
心配そうに大場さんが話しかけてきた。
俺は少しあたふたしながら返事を返した。
「あっ、、、。えっと、、、。俺は全然大丈夫です!会話できるくらいまで体力は回復しましたので、心配ありがとうございます。」と俺は、知らない人と話すのが苦手なタイプではあったが何とか話すことが出来た。
「そうですか。良かったです。」とホッとした表情で大場さんは、言った。
ホッとした表情を浮かべながら大場さんは、「朝食持ってきますね!」と大場さんは元気よく言って朝食を取りに行った。
俺は、その間本を読んだりして待った。
そして、朝食が届いた。
「山田さん!朝食ですよ!沢山食べてくださいね!」と言って机に置いてくれた。
俺は、「いただきます!」と元気にいい栄養をたっぷり体に蓄えた。
朝食を終えた俺は、手足の運動と体全身の運動をするためにリハビリ室に向かった。
運動が始まった。
最初に手足の運動をしたが、全身に力を入れるのは少し苦労をしたが上手く手足を動かす事が出来た。
次に俺は、全身の運動をしに外へ出て走ったり歩いたりしてなるべく日光を浴びるようにした。
運動を多少終え、休憩をしていたその時だった。
急に雨が振り始めた。
俺は、急いで病院内に駆け込んで雨が止むのを待った。
雨はすっかり止み、晴れた。
晴れたことに喜んだ俺は、「さぁ!運動するぞ!」と扉を開け外に出た時だった。
「虹だ!」と俺は思い暫く眺めていた。
虹なのは分かったが、ある違和感を覚えた。
それは、雨上がりの空にかかった大きな虹。よく見ると、虹の上を歩いている人がいたのだ。
俺は、嘘だと思い目を擦った。
でも、嘘ではなかった。
急いで虹のそばに向かって走りに行った。
「あと少しで、大きな虹の側につく!だから、それまで、、、体力が持ってくれれば、、、!!」と俺は肺の部分を服の上から握りしめながら足がちぎれるくらいに走った。
その時だった。
「がはぁ、、、!?」ついに俺は、体力の限界が来て地面に倒れ込んだ。
すると、大きな虹の上を歩いていたと見られる人物がゆっくり降りてきた。
「ゴホゴホ、、、!うぅ、、、!!」俺は、血を吐く寸前までいた。
虹の上を歩いていたと思われる人物の顔が俺の近くにまで近寄ってきた。
よく、顔を見てみると綺麗な女性だった。
俺は、意識が朦朧としながら女性を見た。
女性は、俺に話しかけてきた。
「可哀想に、あなたは心の傷が深いですね。もう大丈夫ですよ。私が来たからにはもう大丈夫です。安心して、眠りについてください。私の名は、エレナです。これから、あなたを守ります。」といい俺の背中に優しく手を当てた。
すると、俺はエレナという女性の手の温かさを感じた時には気を失い倒れ込んでいた。
そして、しばらくすると目を覚ました。
俺は、ゆっくり体を起こした時。
「今度の運動時間にまた会いましょう。」と頭の中で声が聞こえた。
その時俺は思った。
これからの入院生活は、過酷な戦いにぶち当たる、、、と。
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