ある日の雨上がり。

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3・心 入院生活が始まってから、もう2〜3日は経過した。 俺は、何時ものように入院ベッドから体を起こし朝食を食べて運動をした。 手足の運動も体全身の運動も次第に慣れてきた。 食欲も何時もの生活と同じくらいいい食べっぷりにまで回復をした。 入院したての時よりも、退院に向けての希望が少しずつ持てるようになるまでに俺は自分自身の事を鼓舞していきながら成長して行く様子に親と看護師さんは少し戸惑っていた。 戸惑ってしまう理由は簡単なこと。 なぜなら、、、。 入院生活から、2〜3日経過にも関わらず肉体が元の状態に戻っているだけでなく運動神経、思考、脈数、心拍数、会話、、、その他諸々元の状態に回復をしているので治療担当医師さんも度肝のを抜かれたかのように目を丸くして俺のことを長時間眺めているのだった。 驚きを中々隠せない治療担当医師の人達や看護師さん達を追い抜くかのように俺のリハビリを手伝ってくれている大場さんが冷静な顔つきで入院ベットの隣に歩いてきた。 そして、俺は急に嬉しくなったのか大場さんに元気よく声を掛けた。 「大場さん!おはようございます!!いい天気ですね!俺、大場さんのおかげ  で元気になれました!!早く運動したいって体が嘆いてます!」 すると、大場さんは溢れんばかりの涙を噛みしめるように口を開いた。 「おめでとうございます!奏汰さん。よく、ここまで頑張ってこれました。心  はもうすでに、成長し強くなっているので誰かに強い口調で何か言われたと  してもすぐに言い返せるような体へと確実に成長してますよ!!」 大場さんも、精一杯喜んでくれた。 俺も泣きそうになった。 でも、敢えて泣くのを堪えた。 そして、俺は強くなった心臓の心拍数を感じなからその場にいる看護師さん全員に宣言をした。 「先生!俺、決めました。この入院生活を終えたら強くなった心と身体でまた  この場所に戻ってきて強くなった俺を見せて上げますよ。それまで、待って  いてください。」 今日も俺は、強くなった身体と心を胸に今日もまた退院に向けての生活をもう一歩、進み始めた。
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