1.雨乞い姫

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1.雨乞い姫

 山に囲まれたその村には、古くから続く習わしがあった。  辰の年に、最初に生まれた女の子は雨乞(あまご)い姫となる。  日照りが続くと、姫は龍穴と呼ばれる儀式場に入れられる。その中で姫が泣くとその声が天の龍神に届き慈悲の雨を降らせるという。  この習わしにより、村では水不足に悩んだことが無く、皆豊かに暮らしていた。
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