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暇つぶしに結婚しちゃう?
「じゃァ暇つぶし結婚しちゃう?」
「えェ、な、な、な、なにィーーーーッ?」
マジか。
思わずボクは絶叫してしまった。
「もう、うるさいわね。近所迷惑じゃん」
慌ててラブリはボクの口を両手で塞いだ。
「うぐゥ、は、離せよ。いっつもラブリの方が近所迷惑なんか顧みないクセによく言うなァ!」
ボクは怒鳴りつけた。
「なによ。うるさいわねえェ」
また彼女は口を塞ごうとした。
「ラブリがムチャクチャ言うからだろう!」
ボクは無理やりラブリの手を払いのけた。
「ムチャクチャって、なによォ?」
彼女も憮然とした顔で言い返した。
「いやァ、だって急に結婚しちゃうって。ロイヤルホストでランチを食べるようなテンションじゃん」
ボクにとって、『結婚』は人生の一大事だ。
「ふぅん、どうしてよ。じゃァなに事前に砂浜にラブレターでも書いて、承認されないと結婚のプロポーズをしちゃいけないの?」
逆に、ラブリは聞き返してきた。
「いやいやァ、それはちょっとやり過ぎだけど。少なくとも暇つぶしにするもんじゃないだろォ。結婚は!」
軽いノリについていけない。プロポーズはもっと厳かなモノだろう。
「なによ。じゃァトモローったらラブリの事は遊びだったの?」
ラブリはボクをベッドへ押し倒してきた。
ボクの上に馬乗りになってすぐさまマウントポジションだ。
「うわァ、ちょっと待って!」
ボクは必死にガードポジションを取った。
けれどもこうしてラブリとジャレ合うのも楽しい。
思えばつい朝方、小悪魔がボクの部屋へ来襲したのだった。
まさにラブリーウイルスと共に。
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