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如月ラブリ
彼女の名前は如月ラブリ。
ボクが教育実習生の時の教え子だ。
その時は中学二年生だったが、今は十八歳の高校三年生だ。
バレンタインデーやバースデー、クリスマスなど行事の際にはパーティを企画し盛り上がった。
ボクはその後、正式に中学校の教師になり彼女も高校へ入学した。
それ以来、なにかというとボクに懐いていた。
バレンタインデーには手づくりチョコをくれるのでボクに好意を持ってくれているのだろう。
嬉しい反面、こんな所を他の教え子や保護者にバレたら懲戒処分モノだ。
「フフゥン、やっぱり真夏に食べる冷たいチョコレートのショートケーキは格別ねェ」
小さなフォークでペロッと食べていた。
すでに半分近く口の中だ。
「おいおい、だから半分くらいは残しておいてくれよ。頼むから」
「えェ、なにを?」
ラブリはとぼけてそっぽを向いた。
「あのねェ、借金はどうするんだよ。良いのか?」
「良くないわよ。ゴメン、ハイ、トモロー。残りを上げるわ」
小皿ごと残りのケーキを寄越した。
「おいおい、ほとんど残ってないじゃん」
ほとんど食べられてしまった。
「わかったわ。じゃァ口移しで食べさせてあげようか?」
思わせぶりに舌で唇を濡らした。
なんともセクシーな仕草だ。
「いやァ、か、勘弁してくれよ。大人をからかうな」
いつもこんな調子でボクをおちょくってきた。
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