0人が本棚に入れています
本棚に追加
七夕
『七夕伝説』
天の川に隔たれて会えなくなった織姫と彦星が年に1度だけ、かささぎの橋を渡り会いに行く悲恋の物語。
これは皆がよく知る七夕伝説だと思う。
☆―――――――――――――――――――――――☆
私達は七夕に出会った。
高校の頃に行った七夕祭りで友達に紹介されたのだ。
お互い一目惚れだった。
私達はすぐに仲良くなった。
色んな話をして、夢を語ってはお互いに応援した。
お互いが大事な存在だった。運命だとよく話していた。
そして、あの七夕祭りから丁度1年が経った頃同じ七夕祭りで彼から告白された。
もちろん、Yesと返事をした。
幸せだった。なにもかもが…
でも神様は意地悪で…
付き合い始めて2ヶ月が経った頃、彼は親の都合で海外へと行ってしまった。
別れ際、彼は必ず会いに来ると言ってくれた。
それから、彼はその約束を守ってくれた。
毎年七夕の季節になると帰ってきて会いに来てくれた。
しかし、ある年の七夕彼は帰ってこなかった。
その代わり届いたのは別れのメール。
他に想い人が出来たこと、私に対する罪悪感と謝罪。
そんなものが大量に詰まったメール。
私の彦星は天の川の先で別の織姫を見つけたらしい。
私の本当の彦星はいつ会いに来てくれるのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!