雨上がりの虹のかけ橋

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私の名前は『麗(れい)』、東京都内の4年制の大学を卒業後実家のある山梨県鳴沢村に戻って、同じ村内にある富士山の雪どけ水を使った飲料水を製造する会社に勤務する27歳の女子会社員だ。 この村では最近、雨が上がって虹が出た時に富士山の鳴沢氷穴に入ると、そこに白い着物をまとった少女の幽霊が出るという噂話がある。 この話が本当の事なのか、私はこの少女の幽霊を実際に見たという人に会ったことはない。 しかしこの話は、妙な噂になっていて、私の心の中に深く刻み込まれた。 私はいつかこの噂話の真相を解明しようと思っていて、機会をうかがっていた。 私がいつものように会社に出勤して、お昼に社内食堂で昼食を食べていると、同僚の『夕弦(ゆづる)』がテーブルの対面に座って話しかけてきた。 夕弦は真面目な人で、周りの同僚によく気を使ってくれる存在だ。 そんな夕弦に私は村の噂話のことを話してみた。 「雨が上がって虹が出た時に鳴沢氷穴に入ると、白い着物をまとった少女の幽霊が出るって聞いたことある?」 すると夕弦が、 「うん、聞いたことあるよ!  でも、今時幽霊はないでしょ…」 といった感じで、本気にはしていないようだった。 そこで私が、 「私、確かめてみようと思ってるんだ!」 と話すと夕弦が、 「えっ、やめたほうがいいんじゃない!  まぁ、何もないと思うけれど…」 と私のことを少し心配してくれているようだった。 その後はたわいもない話をして、お昼休みを終えるとお互いに仕事に戻った。
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