2人が本棚に入れています
本棚に追加
暑さが厳しさを増してきた7月中旬、この時期はまだ梅雨開けしておらず、雨が降る日が多かった。
そんな土曜日のある日、この日は会社が休みで朝から雨が降っていたので、私は家の中でテレビを観たり本を読んだりして過ごしていた。
午後になると雨足が弱くなって、14時を過ぎると雨が上がって日が差してきた。
私がふと窓を開けて外を見ると、今まで見たことがないような大きくてはっきりとした綺麗な虹が出ていた。
私は以前から確かめてみようと思っていた少女の幽霊の噂話を自分の目で確かめようと思い立った。
さっそく私は着替えをして車に乗り込んで、青木ヶ原の樹海入り口に向かって車を走らせた。
青木ヶ原の樹海入り口に到着すると駐車場に車を停めて、ここからは歩いて鳴沢氷穴に向かうことにした。
遊歩道に沿って青木ヶ原の樹海を歩くと、さまざまな種類の樹木がうっそうと生い茂っていて、上空は2重3重に交差する木々の枝で覆われているため辺りは薄暗く感じた。
しばらく歩くと鳴沢氷穴の看板を見つけ、私は恐る恐る入ってみることにした。
少し足を踏み入れただけで中は暗く、私はスマートフォンのライトの光を頼りに奥へと進んでいった。
外は夏の暑さが厳しいのに、さらに奥に進むと寒さが増してきて、壁は凍っていて狭くなっているように感じた。
この穴はどこまで続くのだろうかと思いながらさらに奥へと進んでいくと少し広い場所に出て、上に穴が開いているようで少し光が差し込んでいた。
私が辺りを見回していると奥の壁際で青白くぼーっと光っている場所があることを見つけた。
恐る恐る青白く光っている壁に近づいて、スマホの光を当ててみると、そこに白い着物を着た少女が立っていることに気が付いた。
驚きのあまり声を出しそうになった私は、とっさに口に手を当てて足を止めて、その少女の方をしっかりと見てみると、ショートの髪形で青白い顔をした小学生くらいの少女が立っていた。
さすがに恐怖を覚えた私は、すぐに引き返そうと思う気持ちもあったけれど、その少女は私に何か危害を加えるような感じではなかったため私はその場に立ちつくして、しばらく少女を見つめていた。
その少女の顔を見ると、何か悲しそうな表情に見えて、私は思い切って話しかけてみることにした。
最初のコメントを投稿しよう!