雨上がりの虹のかけ橋

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「あなたは誰、どうしてここにいるのですか?」 私が話しかけるとその少女が、 「お姉さんには私の姿が見えるのですか?  私は死んでいるようなの…  私は『天音(あまね)』、会いたい人がいるんだけれど会えなくて、ずっとここにいるの…」 と話してくれた。 私は落ち着きを取り戻していて、天音ちゃんにもっと詳しく事情を聞くことにした。 「私は麗、よろしくね!  会いたい人というのは、誰ですか?」 私が質問すると天音ちゃんが、 「私のお姉ちゃんだよ!」 と教えてくれた。 私は天音ちゃんと天音ちゃんのお姉さんのことを、いろいろと聞き出した。 天音ちゃんは平成16年生まれの10歳の小学校4年生で、天音ちゃんのお姉さんは2歳年上の『風音(かざね)』さんという名前で、鳴沢村に住んでいるようだった。 今は令和6年だから、天音ちゃんは年を取ることなく10年間ここにいたことになり、天音ちゃんが生きていたら今年で20歳になっているはずだ。 「天音ちゃんのお姉さんのことを探してみるね!」 私が天音ちゃんにこう伝えると、天音ちゃんは嬉しそうな笑顔になって、 「ホント、嬉しい!」 と喜んでくれた。 すると天音ちゃんの全身が急に光り出して、 「麗さん、お願いします。  また会いましょう!」 と言ったかと思うと、天音ちゃんの体は霧に包まれて見えなくなり、スーっと上に向かって消えていった。 私は天音ちゃんには、何か深い事情がありそうだと感じていた。 その後、私は鳴沢氷穴を出て、車で帰宅した。
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