3人が本棚に入れています
本棚に追加
0 プロローグ
「ぐはっ」
「たたた、助けてくれええ」
「金、金なら出すからぁ…」
はぁ。もう聞き飽きたよ、そんなの。これまでに何万回聞いたと思っているんだ。
グサッと鈍い音とともに血が噴き出す。
あーあ。また汚れちゃった。だから刃物は嫌いなんだよなあ。
「な、なぜ…」
息絶える前にターゲットが呟いた。
なぜ…?なんで殺されたか知りたいのか?それはまあ、依頼されたからだ。うん。これが答えだ。
ピピッと小さな電子音が鼓膜に伝わる。
”終わったか、影”
「はい。全ターゲット、消去しました」
”さすが世界最強の暗殺者様、だな”
「……。」
”また依頼が来たら回す。それまで待機だ”
「わかった」
暗殺者、それは陰に潜み、闇を躍り、死へといざなう者。
どんな時代、どんな世界でも必要とされる闇の世界の住人の総称。
そしてこの現代日本に、史上最強と恐れられる、暗殺者がいた。
その名も、スキア。
最初のコメントを投稿しよう!