6 あなざーわーるどへ行きましょう

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「はーい♡ようこそ、平世晴くんっ。ここは女神が住む、天界だよん。きゃっ。男の子が私の部屋にっ♡」 「何言ってんだお前」 「ほんとはここに来るのはもっと後になってからの予定だったんだよ?晴くんがぜーんぜん信じてくれないから強制転移させちゃった☆」 …とりあえず話だけでもしてやらないと出られそうにないな。 「いや?出るには出られるよ。ただし、地球じゃないとこに落ちるけど」 「あー、最近流行りのアレか」 「理解が早くて助かるよ。そう!晴くんは、今から異世界に行ってもらいます!」 「なんで俺なの?」 「それはですね…」 言い淀んでいる…この表情は何かを隠してるな。 「あー、もう言いますよ!えっと、その、神のミスでして…」 「つまりお前の?」 「いえ。違います。私は創造神です。で、ミスしやがりましたのは今から行ってもらう異世界の神です」 「は?さすがについていけねえ。もっと丁寧に説明してくれないか」 「もうっ。時間ないのに…簡潔に言うね。どんな世界でも、その世界を監督する神がいるんです。その神達のトップが私ですけど!(ドヤ) で、人はその世界に生まれるときになんかしらの加護を与えられるの」 「ほー。そんで俺には何の加護が?」 「暗殺の加護」 「ナルホド…」 「で、本来それで君は地球で暗殺者とかまあ警察とかなんでもいいけど暗殺者としてのスキルを使えるような職についてくれればそれだけでよかったんだけど…」 「もう暗殺者だけど」 「その…ね、あなたには異世界の神からも加護を与えられている状態なの」 「は?2つってこと?」 「そう。あなた運がいいのか悪いのかわからないけど、異世界の神からも暗殺の加護をもらっててね…」 「そうか…それは…なぜ?」 「異世界の神が…その…加護を与えるときにくしゃみをしてしまったみたいで…で、その暴発した加護の器に選ばれちゃったのがキミなんだよね」 「…もしかして本来加護を得るはずだった奴が何も持っていないと…」 「いや、なんとか他の加護を与えたんだけど、暗殺の加護って強力な分副作用も強いから、回数制限があって…それで今異世界は暗殺者不足なの!」 「は…?それは、いいこと、なんだろ?普通の奴からしたら」 「犯罪者じゃなくて、暗殺者が足りていないんだって!犯罪者が跋扈しちゃってんの!あっちは」 「はあ…。それで俺に何をしろと?ここまで来たらもう行くしかねえことはわかったよ」 「ほんっと理解が早くて助かる…あっ」 急にパァっと明るくなって、気が付くと俺は森の中にいた。
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