2 暗殺者としてのすたあと

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その後、男は俺をある場所に連れて行った。 普通のビル。に、見えたがそこは奴らのアジトだった。 「ボス、なんすかその子」 「隠し子っすか?」 「違えよ!!」 男はボス、と呼ばれていた。 「スカウトだよ、ス、カ、ウ、ト」 「え?ターゲットの子供とかじゃないっすよね?」 「ん?ああ、違う違う、現場に居合わせただけだ」 「それ大丈夫なんすか?」 「ああ。こいつは金の卵だぜ。人の死や痛みに対してなんの感情も持たない」 「無痛病ってことっすか」 「いいや、撃った時ちゃんと撃たれた場所の認識はしてた。だから、生物として危機反応が薄いんだろうな」 「ええ…別の意味で心配…」 「ってことでこいつを育てる」 言っていることの半分も理解できなかったが、その日はうちに返してもらった。なぜか男が警官の恰好をして家まで送ってくれて…今思うとアレだが。 次の日、急に母さんから幼稚園が変わると言われ、毎日警官の男が送り迎えしてくれるようになった。まあ、もうおわかりだろうがもちろん男は警官ではないし、幼稚園も嘘。ただの暗殺者育成機関だった。 母親は、テロにあった子供たちの保護として警察署近くの幼稚園に通う、とかなんとかいわれて丸め込まれたのだろう。
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