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「雨、いつ止むんだろうね」
窓のそばに立ち、カーテンの隙間から
矢のように降り注ぐ雨を眺めていた。
電車を乗り継ぎ、ひとり暮らしの自宅に
佐橋を連れ込んだ。
さっきから佐橋は沈黙を保ち、
俯きながらソファ代わりのベッドに
腰掛けている。
僕の誘いを拒まずにいる佐橋。
期待してもいい?
「泊まっていいよ」
「うん」
「やっと喋ってくれたね。大丈夫?
やっぱり恋人だったんじゃ」
ぎし、とベッドを鳴らし、佐橋の隣に。
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