2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「たぶん、来なかったから大丈夫」
「そうなんだ」
「岸野、俺」
「うん」
返事をして、佐橋の上に馬乗りになった。
近づく顔と顔。
「お前に甘えてもいいのか」
佐橋の揺れる瞳を覗き込み、小さく頷いた。
「いいよ」
「まだ俺、岸野のこと何も知らない」
「これから知ってよ」
佐橋の頬に触れ、優しく撫でた。
「僕はこんな風にしか佐橋を癒せない‥‥
早く恋人を忘れて僕を好きになって?」
「何て言ったらいいのか」
ぎこちなく微笑みながらも、
佐橋の手が僕の背中に回ってきた。
「雨が止んでも一緒にいたい、佐橋と」
最初のコメントを投稿しよう!