武器についてのしょうもないウンチクとか雑感とか

1/8

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 柳生新陰流では、「相手の刀に打ち乗る」ということを言うそうです。  打ち込んできた相手の刀に自分の攻撃をかぶせることによって、相手側に先に届く。  剣道なんかだと成立しない気がしますが、重量のある真剣だとこれができるとのこと。なのですが、どうにもイメージできない。  新陰流師範の書いた本でこの話を知って、「どうも剣術というのは相当難しいものだぞ」と思いました。まだインターネット利用が普及する前の話です。    西洋の剣術、というか「武器を用いた近接戦闘の技術」というのは、けっこう記録が残っているし、今でも研究したり実践したりしている人がいるようです。  驚くのは、構えや動きが、日本の剣術とはかけ離れて見えること。  出発点が重量のある鈍器のような剣なので、遠心力でふりまわすような動きが多いのかな、と漠然と思いますが、とにかく直観的に理解できない。    そんなこともあって、私は小説で剣での戦いをあまり描きません。  剣対剣は一回書いたかどうか、くらいだと思います。  銃器、とくに古風なマスケット銃なんかには偏愛めいたものがあります。  構えて、狙って、撃つ。必要に応じて再装填する。  適切な位置取りと姿勢に注意しながら、これを繰り返す。  シンプルで、非常に明快です。  一発あたればそこで戦闘終了、というのも簡明で良いのです。  大人気少年漫画のような、結構お互いの攻撃がヒットしてるのにいつまでも戦いが続く、果ては、お互いの主張をぶつけあったり、過去の回想をしたり。そういう冗長さは、射撃戦にはありません。  だから銃が好きで、それゆえ語りだすと止まらないので、ここでは主に剣と、その他の手で持って扱う近接武器についてお話していこうと思います。          
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加