4人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
騎兵
馬に乗る技術そのものは、一説には、紀元前3000年前ごろのウクライナで生まれたと言われています。
しかし、これが騎兵として真価を発揮するには、鐙の発明を待たねばなりません。
鐙があることによって安定した姿勢での騎射が可能になるのです。
鐙の発明は紀元前5世紀ごろのインド。
ところが、ヨーロッパで鐙が確認されるのは紀元後の七世紀ごろ。
古代ローマでは共和制の後期ごろから騎兵の運用が普及していくのですが、ローマ軍の主力はあくまで歩兵であったようです。
エクィテスと呼ばれる軽騎兵は、軽装で剣、槍、盾などを装備したもの。
カタフラクトと呼ばれる重装歩兵は、中世の騎士のような重装備で、重く長い槍による突撃を本領としていました。
ここに、ローマ人がなぜフン族にかなわなかったのか、その理由を見ることができます。
フン族はその編成のほとんどが騎兵であり、強力なコンパウンドボウを巧みに操りました。
ローマ歩兵にとっては航空機から銃撃を受けるようなもので、ろくに反撃することもできなかったと想像できます。
ローマ帝国がゴート族と融合していったのは、彼らの騎兵と騎射の技術を取り込むという意味で、必然性があったものと思います。
最初のコメントを投稿しよう!