武器についてのしょうもないウンチクとか雑感とか

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弓  単一の材料で作られた単弓は、世界中で旧石器時代から使われていました。  弓の材料は木、竹、動物の骨、角、腱など。  木の弓に動物の腱などを貼り付けたものが強化弓、さらに三種以上の材料を貼り合わせたものが合成弓です。  異なる性質の材料を組み合わせることで、強度、耐久性、反発力、精度など、様々な性能を高いレベルで実現できるとのこと。  合成弓はオリエントでは旧石器時代から使われていました。どこで発明されたかはわかりません。砂漠や草原では木の弓はなかなか作成されないでしょうから、今の東欧にあたるどこかから来たのではないか、と妄想したりします。    古代ギリシアでは弓は神々のいく柱かと関連付けて考えられるほど重要視されていましたが、弓は個人の技量によって効力が左右されるため、古代ローマの集団戦の思想とは合わなかったそうで、弓はあまり発達しなかったようです。  中世になっても弓は発達せず、オリエントや中央アジアで広まった複合弓は、十字軍の時代以後に少数が見られる程度とのこと。  弓が戦争を一変させるほど重要な存在になるには中世後期、百年戦争時代のロングボウの出現を待たねばなりません。 余談(弓の精神性  孔子は弓の名手としても知られています。  弓の熟達には強い筋力と柔軟性、高度な集中力と平静さを必要とします。  養由基という名手が孔子と弓の技術を競ったときの状況について、 「 養由基の百発百中であったが、孔子は百発成功であった」  という言葉が残っています。  つまりは、弓を的あてゲームではなく、ある種の精神状態の完成を目指すものとみなしているのです。  武道の起源は、おそらくこのあたりかな、と個人的に妄想します。検証しようのないことですが。        
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