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◇◆◆◇ あれから、杉本さんからちょくちょく電話がかかってくるようになった。 用があるわけじゃなく、『今なにしてる?』とか、そんな感じで話をしてくる。 まるで仲のいい友達みたいだが、やっぱりアレが原因だろうか。 今、仕事から帰って自宅のリビングでくつろいでいる。 車椅子からソファーに座りかえたら、力が抜けて体が楽になる。 にしても、事故以来駄目だった息子が、久々に勃起したのは……マジで感動した。 「操~」 お袋がやってきた。 「ん? なに」 「お風呂、手伝うわ」 「大丈夫だよ、自分で出来る」 「まぁたまにはいいんじゃない?」 「いいって、なんかあったら呼ぶから」 風呂には浴槽に手すり、バスボードもあるし、シャワー用の椅子など、自力で入れるようになっている。 たまに滑って湯船に沈む事があるが、至る所に手すりがあるから、溺れ死ぬ事はない。 上半身、手が使えるってだけでも相当助かってる。 いざとなれば這いずってでも動けるからだ。 「そんな事言って、遠慮しなくていいのよ」 お袋がうるさいので、風呂に入る事にした。 「遠慮じゃなくて、ひとりで入るからいいって」 家の中は基本バリアフリーだから、移動も楽々だ。 風呂場に行って裸になり、手すりを持って車椅子から風呂場の椅子へ移動する。 シャワーで体を洗い、また手すりを持って今度はバスボードに移る。 そこで頭や体を洗い終えたら、手すりを掴んで向きを変え、浴槽の手すりを掴んで湯船に浸かる。 湯の中は重力を感じなくて済むのでリラックス出来る。 そう言えば、杉本さんは『シャワーを浴びてもっと本格的に』……と言っていたが、それって……ベッドでヤルって事だろうか。 だとしたら、俺は必然的に受ける側になるだろう。 杉本さんと寝る。 もしアナルSEXをするとしたら、一体どんな感じなのかな? でも、俺は多分なにも感じない。 だけど、上半身は感じるから、こないだみたいに愛撫されたら、エロい気分を味わう事は出来る。 杉本さんはバイだと明かしたが、ずっと仲良くしている小川さんは、それを知ってるんじゃないのか? つーか、小川さんはどうなんだろう。 ひょっとしてバイだったりするのか? 変な話だが、もしそうなら嬉しい。 今のところ苛立って不機嫌な顔をしているが、杉本さんはマジで俺の事を心配してるからだって言ってたし、一生懸命通って尽くせば、ひょっとしたら上手くいくかもしれない。 「へへっ……」 自然と顔がニヤけてきた。 ◇◇◇ 月曜日に鍼灸院へ通い、金曜日には面会と鍼灸院、そのパターンでいこうと決めていたが、杉本さんの都合が悪い時もある。 また、杉本さんが言うには、このまま毎週面会に行き続けると、断られる事があるらしい。 なので、面会は月2回にした。 俺はこの先何か楽しみを見つけなきゃって、そう思っていたが、2人と出会った事で2人に会う事が楽しみになっている。 回数は減ったが、それからも杉本さんと一緒に面会に行った。 ただ、杉本さんはあれ以来俺をマンションに呼ぶ事はなく、エロい事もなしできている。 何故なのか疑問に思ったが、杉本さんは相変わらず優しいし、俺もあんまりそっちに拘るのもどうかと思ったので、気にしないようにした。 そうする内に小川さんは刑務所に移され、刑務作業をするようになった。 小川さん本人は……と言えば、面会時は相変わらず機嫌が悪いが、半年が経つ頃には段々慣れてきた。 今も仕切り板を挟んで、真向かいに仏頂面で座っているが、俺は最初みたいに凹まなくなった。 差し入れはずっと現金だが、他に使い道がないから大した負担じゃない。 「小谷さん、あんた、俺に会いにきて楽しいか? 毎度金を無駄に使ってよー」 小川さんは地味な作業着を着ている。 くすんだ色の服は、胸ポケットに定規がさしてあり、真面目に働いてる事がうかがえるが、呆れ顔で聞いてくる。 「お金は構いません、無事な姿を見たら安心します」 「そうか……、上半身は鍛えてるのか?」 「いいえ、まだなにもやってません」 「ダンベルでもいい、ちょっとずつ鍛えろ」 「はい、わかりました……、へへっ」 なんだか今日は機嫌がよさそうだ。 嬉しくなってつい笑みが零れた。 「まったく……、おい杉本、お前、なんか余計な真似をしてねーだろうな?」 だけど、小川さんはふと杉本さんに妙な事を聞いた。 余計な真似? ってどういう意味なんだろう。 「なんにもしちゃいねぇよ、な、操?」 杉本さんは、今までは小川さんの前では俺を苗字で呼んでいたが、今日に限って名前を呼んで聞いてくる。 「あ、はい……」 さっきの質問といい、なんだか嫌な予感がする。 「ちょい待て、今操っつったな、なんで名前を呼び捨てにしてる」 案の定、小川さんは目をつりあげて聞き返してきた。 「そりゃおめぇ、こんだけしょっちゅう会ってんだ、いつまでも他人行儀じゃおかしいだろ」 杉本さんは適当な事を言って誤魔化した。 「そりゃまあ……そうだが」 小川さんは何か考えるような素振りを見せたが、一応納得したようだ。 「お前も模範囚になって早く出てきな」 「ふん、言われなくても俺は模範囚だ、班長だからな」 「お~、すげーじゃねーか、早々と班長か? んじゃ班長さん、帰りを待ってるぜ」 「おう、あんな、木彫りで仏像作ってんだ」 「へえー、仏像か、へへっ、お前はあれじゃねーのかよ? 御神体」 「はあ? 御神体って……なんだよ」 「あれだよ、ナニだ、なははっ!」 「アホか、そんなもん作った日にゃ懲罰食らうわ」 「あははっ! だよな~」 「ったく、お前はすぐそっちに振る、つーか、御神体って……改めて想像したら笑えるじゃねーか、なははっ!」 「だろ? 御神体はガチで祀ってる神社があるんだからな、バカにはできねーぞ」 「そりゃまぁーそうだが、しかも手彫りかよ、あははっ!」 2人は冗談を言い合って笑った。 俺の話題を出した時は喧嘩になるんじゃないかと心配したが、2人はマジで仲がいいようだ。 面会が終わったら、杉本さんと食事に行って、その後は杉本さんのマンションへ寄る事になった。 久しぶりでテンション爆上がりだ。 部屋にあがると、杉本さんは前来た時と同じように車椅子からソファーに移してくれる。 俺はつい邪な期待を抱いた。 小川さんとの事は気持ちの整理がついたわけじゃないが、それは今の状態ではどうなるかわからないし、杉本さんとならそういう事をしても構わないと思ってる。 「な、俺にシャワーの介助、できねーか?」 こっそりそう思っていると、杉本さんは俺が期待してる事を言ってくる。 シャワーの介助って事は、多分……そういう事だろう。 「あ、そうですね……、床に座ればなんとかなるかな」 もしかして……最後までヤルつもりなんだろうか。 「そうか、あのよー、はっきりいっちまうと掘りてぇ、なあ操、やっぱ嫌か?」 やっぱりそうだった。 「あ、あの……、いえ、嫌じゃないです、ただ俺は……なにも感じないと思うので、それに……排泄の感覚がないから漏らす恐れもあります」 やってみたい気持ちはあるが、本番をしたとしても俺は感覚がないし、排便コントロールが出来ない事でベッドを汚したり……迷惑をかける羽目になったら困る。 「おお、そうか……、だったらよ、風呂場でやりゃあいい、万一漏らしちまっても大丈夫だからな、俺はそんな事は気にしねー、相手は女だったが、スカもした事があるしな」 「え、そうなんだ……」 スカって、スカトロプレイってやつか? ちょっとびっくりしたが、杉本さんは予想以上に経験豊富なようだ。 だけど、そんな経験があるなら、万一漏らしても嫌な顔をされる事はないだろう。 「へっ、今は落ち着いたが、若い時は遊びまくったからな、小川は女が死んだ後はあんまり遊ばなくなった、あいつ、ああ見えてナイーブだからな」 小川さんの方が真面目……って言ったら杉本さんに悪いが、実際に真面目らしい。 「そうなんですか……」 「な、それじゃあ今から……いいか?」 「はい、あの……もし漏らしたりしたらすみません」 本番をやるのは前にやった時よりも数倍ドキドキするが、俺はやっぱり体の事が心配だから、念の為前もって謝っておく。 「ああ、そりゃいいって、で、操、いつ排便した?」 「っとー、朝浣腸してだしました」 俺は週2回排便するのだが、便秘の時は浣腸して強制的に排便する。 元気な時は当たり前に自分の意思でできた排泄。 それが出来なくなった時は、悔しくて情けなくて、こんな体で生きる意味があるのか? って思った。 けど、生きてる以上、食べて飲んで排泄しなきゃならない。 だから、慣れるしかなかった。 「だったら……シャワ浣だけでいいか、じゃ、ローション持って入って、湯を溜めよう」 「あ、はい……」 杉本さんとアナルSEXに挑戦する事になった。 2人共裸になって浴室に入ったが、俺は背後から杉本さんに抱きかかえられて中に入った。 床にへたばって足を曲げてペタンと座ったら、杉本さんが体を洗ってくれた。 「ソープだと洗われる側だが、たまにゃこうして世話ぁするのもいいな」 俺の体をゴシゴシしながらソープの話をしたが、きっと風俗にも相当通ったんだろうな。 だから色んな事を体験してる。 俺は……事故る前は、そんな事よりバイクに夢中だった。 事故ったのはちょうどカーブにさしかかった時だ。 対向車がこっちの車線にはみ出してきて、俺はバイクごと跳ね飛ばされた。 激しい衝撃の後、体が宙を舞ったところまでは覚えてるが、その後の記憶はない。 記憶があるのは意識が戻ってからだ。 病院のベッドの上に寝ていて、体中に色んな管や線がついていた。 お袋が泣いて喜んでいたのを覚えている。 俺は数日間、意識不明になってたらしい。 そんな事を考えてる間に杉本さんは体を洗い終わり、俺はシャワーで体を洗い流して貰った後で、シャワ浣を初体験した。 杉本さんはこれも慣れてるらしく、サクサクこなしていった。 俺は床に手をついてされるがままに任せ、湯を自動的に排泄するだけだ。 感覚が無いし、前回トイレの介助をして貰った事もあり、前ほど恥ずかしさはなかった。 シャワーは出しっぱなしだから、浴室に湯気が充満している。 もわもわと白い湯気が立ち上る中、シャワ浣が終わった。 杉本さんは次にアナルを解すと言う。 指にローションをつけてアナルを弄ってきたが、俺はずっとなにも感じない。 少しでも何か感じないか? と思って意識をそこに集中させたが、下半身はどう足掻いても完全に壊れている。 「すみません……、せっかくやって貰ってるのに、俺は何も反応出来なくて」 なにもかもやって貰って、反応を返せないのが申し訳ない。 「ああ、いいんだよ、なにも感じなくても解さなきゃマズいからな、あんたに怪我ぁさせたら責任重大だ」 なのに、杉本さんは逆に気遣ってくれる。 「小川さんも満さんも、優しいんですね」 ヤクザって弱い人を食いものにするイメージがあったが、少なくとも、2人はそんなんじゃない。 「バカだな、俺はあんたを掘ろうとしてるんだぜ、小川にゃ内緒だがな、へへっ、あいつ、あんたに惚れてるんだよ」 杉本さんは手を動かしながら、めちゃくちゃ気になる事を言った。 「それは……本当ですか? というか……小川さんもバイなんですか?」 もしそうなら嬉しいが、この際ついでに聞いてみたい。 「あいつはあんまり言わねーようにしてるが、そうだ、バイだ、だからよ、あんたと会うなって言ってるのは、女の事や報復の事もあるが、もうひとつ……俺があんたに悪さをしてねぇか、心配してるんだ、まったく……ごちゃごちゃとめんどくせー奴だ」 「え、じゃあ……、ほんとに」 もし本当なら、俺は嬉しい。 「ま、正直あいつの真意まではわからねーが、俺の勘はわりと当たってるからな」 「そうですか」 勘でも構わない。 俺にとっては大きな朗報だ。 「まぁー実を言うと、俺もあんたはタイプだ、だからつい悪い癖が出ちまった、へへっ、そろそろいい具合だ、風呂ん中でやろう」 「は、はい……」 どうやらほぐすのは終了したらしいが、杉本さんは遊び慣れてるだけに、やっぱりこういう事をするのも軽いノリでやってるように感じる。 「よし、じゃ抱いて中に入れてやる、中に入ったら腕を浴槽にかけろ」 浴槽の湯は、体を洗ったりしてる間に杉本さんが溜めていた。 「はい、あ、わ、わ……」 杉本さんは俺を横抱きにして抱きかかえた。 お姫様抱っこってやつだが、俺は筋肉が衰えて痩せてるとは言っても、大人の男だ。 それを軽々と持ち上げるんだから、すげー。 杉本さんはボディビルダーのような、ぷりぷりなマッチョじゃないが、がっちりとした引き締まったガタイをしている。 逞しい腕で湯の中におろしてくれたので、俺は腕を浴槽の縁にかけて沈まないようにした。 「よーし、そのまま掴まってろよ」 俺を無事おろしたら、杉本さんも湯の中に入ってきた。 「すみません……」 「へへっ、なんとかなるもんだな、先にローション仕込むわ」 「はい……」 杉本さんはローションの容器を湯の中に沈めると、俺の中に注入していった。 「できたぜ、準備完了、へっ、じゃ、少しはムード出さなきゃな、抱いてやる」 「は、はい……」 ローションを注入されてもやっぱり何も感じなかったが、杉本さんに抱き寄せられて湯の中で体がフワリと浮いた。 「やっぱ軽いな、いや、今は湯の中だから当たり前だが、あんた痩せてるからな」 上半身は肌の感触がもろに伝わってきて、エロい気分になってきたが、そんな風に言われたら……ちょっと聞いてみたくなった。 「あの、俺はこんな体で……おっさんだけど、それでもいいんですか? いくらでも若くて可愛い男はいると思うんですが」 「あんな、はっきり言うが、その体だから興味がわいた、だってよ、下半身が駄目になってんのに車を運転して、仕事も行ってるとか、すげーって思うじゃねーか、で、おっさんだが……、操、あんたは俺らより大分わけぇじゃねーの、世間じゃおっさんでも、俺からすりゃまだまだわけぇんだよ」 「あ、そっか……、はい、ははっ」 この体だから興味がわいたって、ストレートに言うところが、いかにも杉本さんらしい。 それに、おっさんだからって気にする必要もなさそうだ。 嬉しくなり、杉本さんの首を抱いて自分からキスをした。 「へっ、やけに積極的になったな」 軽く唇に触れて離れたら、杉本さんはニヤリと笑って言った。 「俺、2人とも好きです」 今思えば、当たり屋にあったあの日は災難ではなく、俺にとって転機だった。 好きな人がいる……。 たったそれだけで、毎日をイキイキと過ごせるからだ。 「なあ操、もう聞かなくてもバレバレだが、あんたは小川に惚れてる、しかも本気で惚れてるんだろ?」 杉本さんは小川さんの事を聞いてきた。 「あ、はい……」 ちょっと迷ったが、嘘はつきたくないから頷いた。 「じゃあよ、俺と小川、2人で可愛がってやるわ」 「えっ?」 何を言うかと思ったら、びっくりするような事を言う。 「嫌か?」 「い、いいえ、嫌じゃないです」 2人って……そんな事が可能なんだろうか。 「小川の奴、ごねるかもしれねぇが、俺が説得してやる、俺らは男同士だ、俺は構わねーと思ってる、俺は小川とはなげー付き合いだし、仲良く3人で付き合やいい」 「そ、そうですね……」 杉本さんのいう事はわかる。 ただ、今は小川さんの本心すらわからない状態だし、そんな事が実現出来るのか、俺にはさっぱりわからない。 「ほら、話ばっかしてたらヤレねぇ、な、ちょいとはえーが、もう入れてみてもいいか?」 「あ、は、はい……」 それよりも、いよいよ……遂に……初体験をする時がきたようだ。 「よし、じゃ、足をこうして」 杉本さんは俺の足を開いて座位の体勢にした。 感覚がなくても、やっぱり緊張する。 「入れるぞ」 「はい……」 返事をしたら、杉本さんは片手を湯につけた。 ナニをアナルに入れてるようだが、予想どうりなにも感じない。 「う、やっぱキツいわ、操、大丈夫か?」 杉本さんは眉を歪めて聞いてきたが、どうやら中に入ったらしい。 キツいって事は気持ちいいんだろうか? 俺は痛くも痒くもない。 「大丈夫です、あの俺……なにも感じないんで、すみません」 健康な体なら、ハッキリと杉本さんを感じる事ができるのに。 ……残念だ。 「そうか、俺だけ気持ちよくなったんじゃ悪ぃ、操……」 杉本さんはキスをしてきた。 貪るように唇を吸って舌を入れてくる。 片腕で俺を抱き、片手で胸の突起を弄りながら口内を舌でなぞってきたが、息遣いが荒くなっていく。 俺もヌルヌルと動き回る舌に、頭の中が熱くなってきた。 湯がちゃぷちゃぷ波立ち、杉本さんが下から突きあげているのがわかる。 俺は突かれてるのはわかっていても、ただ体を揺らしているだけだ。 但し、キスをされたり、乳首を弄られるのは感じる。 上半身を愛撫される事でエロい気分が高まっていき、体内を突かれるイメージが頭の中に浮かんできた。 俺は杉本さんの肩に掴まって、行為にのめり込んでいった。 すると、杉本さんは不意にキスをやめて俺を抱き締めてきた。 「イク……、外に出すわ」 俺の中から竿を引き抜いたようだ。 「っ、う……、操……」 杉本さんはお湯の中に射精した。 「中に……出さなかったんですね」 「ああ……、万一腹をくだしたらあんたが困るからな」 「そっか……すみません」 またしても、気を使ってくれたらしい。 「いいんだよ、それより……俺はよかったぜ、満足した、あんたはどうなんだ?」 杉本さんはよかったと言ってくれた。 俺はそれだけで十分だと思ったが、感覚がなくても、脳内で杉本さんを感じていた。 「よかったです」 「そうか、初体験で嫌な思いをさせちゃマズいからな、俺はな、ヤル以上、相手を気持ちよくさせなきゃ意味がねーと思ってるからよ」 杉本さんはSEXに対して拘りを持ってるらしい。 「そうですか……、俺は優しくして貰ったし……最高です」 お陰で、いい初体験ができてよかった。 「おお、そこまで言ってくれるか、へへっ……、壊れてねぇか確かめてやる、ちょい触らせろ」 杉本さんは悪戯っぽく笑ってアナルに触れてきた。 「わっ……」 触られてもやっぱり感覚はないが、なんだか気恥しい。 「大丈夫だな、よしよし壊れてねー、内心不安だったからよー」 照れ臭くなって顔を逸らしていると、杉本さんはチェックを終えて安心したように頷いた。 「満さん……」 ヤバい、無性に抱きしめたくなってきた。 杉本さんは3人で付き合うと言ったが、小川さんが戻ってきたらどうなるんだろう? そんなのはわかるわけがないが、俺は湯の中で杉本さんに抱きつき、杉本さんとしっかり抱き合っていた。
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