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それは、Kと出会ってからなお深まった感覚。
引き締まったからだに抱かれ、何度も何度ものぼりつめて。もう、あんな究極の絶頂は未来永劫味わえないのかもしれない。あたしが、Kの正体を突きとめない限り。
さて。そんなにも、自分の子どもを大事にしていた七條明氏が後悔をしているというのなら。……知らない間に、子どもが産まれていた、と考えてみるのもアリかもしれない。
「七條明氏の知らないところで、産まれていたお子がいらっしゃるという話は……聞いたことがありますかね」
我ながら、ゴシップネタを掘るマスコミみたいな口調になってしまった。定さんは、一瞬、迷いをよぎらせたようだったが、
「お坊ちゃまの同僚のかたでしたらお話ししてよいのかもしれませんね」と前置きを入れ、「ええ。……いらっしゃいました。旦那様は、最期まで、会ったことのない、そのお子を気にかけておいでで。……おそらく坊ちゃまと同じくらいの年頃かと」
Kの人物像と一致する。
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